綿織物の産地、兵庫県西脇に根差し、繊細なシャツやストールが魅力の「ハツトキ」は、16年春夏ビジュアルを、アートディレクターの北川一成率いるグラフと制作した。撮影は、女性誌などで活躍するフォトグラファーの松原博子。
ハツトキは、西脇の産元商社である島田製織が10年にスタートしたファッションブランド。80余年にわたり、綿織物の生産に携わってきた同社の背景を生かし、上質な素材を生かしたレディス、服飾雑貨を提案している。
今季テーマは「ウォーター・カラー」。水の豊かな街の景色にインスピレーションを得たという。
ビジュアルは、グラフがディレクションし、まるで水の中の世界にいるような不思議な浮遊感とみずみずしさをたたえている。
登場する新作は、コットンをベースにしながら、とろけるような質感と光沢を引き出したテキスタイルを数多く採用。ハツトキデザイナーの村田裕樹、小野圭耶 は、繊維工場の同世代の職人と協同で、影織(かげおり)という水面 のゆらぎのような表情を生み出す技法を開発した。
また、泥染めや本藍染めなど、日本の最高水準の染技術にフォーカスしたシリー ズでは、現代の生活にもマッチするシンプルなワンピー スに落とし込んだ。マットなブラウンにミントカラーが巧妙に交わるチェック柄のコートやタックスカートなどもある。