90年代後半から00年代にかけて、本紙にストリートスナップの記事をたびたび掲載していました。30年近く前の、都会の一瞬を切り取っただけの記事ではありますが、その背景を店や企業に取材し、ときには売り上げなどの数字も入れていて、当時の商売の動きも少しわかります。“平成リバイバル”など様々なレトロが注目を集めている昨今、改めて読み返すことで、ビジネスに通じるヒントが見えてくるかもしれません。ベテラン記者が振り返ります。
※本文は読みやすく直しています。社名やブランド名などは原文のまま掲載します。
【関連記事】《平成ストリートスナップ》デザインいろいろオフショルダー ショップで売れているのは?(2001年4月11日付)
◇
〝スタイリスト君〟急増 「細くなった、髪切った、色が落ちついた」
2001年6月7日付

若者たちのストリートトレンドが大きく変わった。たっぷりめのロゴTにハーフパンツやドローコードパンツ、でかいリュックにスニーカー、キャップといったボーダー、ラッパー系の勢力が消えつつある。代わって登場しているのは、すっきりめのシルエットとモノトーン、コーディネートセンスで見せるスタイリスト系スタイル。にわかに広がり、ストリートの色を塗り替えている。
レディスで言うと〝セレブ系〟になるのだろう。やり過ぎモードスタイルでも一流ブランドづくしでもなく、シンプルで力が抜けているのに、きれいでカッコいいという〝スタイリスト君〟たちがどっと増えている。彼らが着ているのは、プロの人気ファッションモデルや雑誌に顔を出しているスタイリストが推奨する服やコーディネート。モデルやスタイリストがオリジナルやコラボレーションで出している、いわく付きのTシャツなども多く見かける。それをいち早く着こなしている美容師からの情報や雑誌情報に実に忠実なのだ。裏原宿の新進セレクトショップや古着屋などを丹念に回って買い物している。
いまストリートで目立つのは、白黒のTシャツを軸にしたコーディネート。パンツは細めで、膝丈のぴったりパンツも増えている。帽子はレインハットのブリムを小さくしたような形。バッグはトートでシルバーなどのアクセサリーは目立たない程度に付けている。かすれたような藍色や竜柄Tシャツなど、ほんのちょっとの和風テイストもちらほら。柄物のシャツやモノトーンのジャケットを重ねていることもある。日サロ焼けした元ギャル男クンも、着ているのはタイトなサーフ系古着だ。
最近、自分のファッションがどう変化したか聞くとハモって「細くなった」。全体のシルエットが細くなったのだ。次に多いのが「色が落ち着いた感じ」。その次に「髪、切った」。坊主っぽい頭をちょっとアレンジ、といったヘアが目立つ。
こうした変化は、ユニクロ大爆発の反動もあるようだ。裏原は平日でも大盛況。雑誌のショップマップをのぞきこむ中高生グループもぞろぞろいる。コーディネートすべてにお金はかけないけれど、Tシャツやバッグだけは、いばれるものを買う。カジュアルのチェーン店も、きれいめモード志向のユニクロ対抗商品を揃え始めているという。
気になるのは原宿の美容師などファッション先取りチームの発言。彼らは逆に、「そろそろ腰ばきのちょっと太めのパンツとか、いいかな」という人も。とはいえ、ずるずるスタイルに戻ることはなさそう。スタイリスト君は目に見えて増えている。
《記者メモ》
雑誌などの人気スタイリストだけでなく、原宿、表参道あたりの美容師さんもファッショントレンドを引っ張っていました。SNSがないころのインフルエンサーですね。
(赤間りか)
