〝制服系〟カジュアルブランド「ルーシーポップ」を企画・販売する響(東京、神山太社長)は、中国市場を攻める。国内での人気に加え、海外でも人気や認知度が向上しており、「当社の課題とも言える物作りや資金力の面で、ビジネスパートナーを募り、成長に向けた次のステップに挑戦」していく。
同社はユニフォームメーカーのカタログ商品の企画、開発、コンサルティングなどが主だったが、スキルを生かして10年にオリジナルブランドを立ち上げた。同年8月には直営店を出店、オープン直後にバイヤーの目に留まり、トップアイドルの雑誌着用やその後のCM、テレビ番組でも着用されるなどで認知が広がった。
ルーシーポップは13~27歳を主なターゲットに、JK(女子高生)風の制服やカワイイ文化、アニメ・コスプレ、アイドル好きに向けて提案する。セーラータイプでピンクやブルー系などのチェック柄スカートが特徴。尾州のウールを使った日本製が上下合わせて約4万円、中国製約2万円が中心。現在直営店は閉鎖し、ECで国内外に販売している。
クールジャパン事業への参加などで海外での情報発信が進み、「アニメや漫画、アイドルの制服姿など、想像以上に浸透している」と感じたという。中国ではJK制服やロリータ、伝統的衣装・漢服ファッションが人気で、中国の調査会社調べではこれらの市場規模は年々拡大し、25年には2兆円規模になるとのデータもある。
中国では18年、上海で「日本JK制服」イベントを実施し、トークショーやファッションショーなどが「話題となり、ブームが巻き起こった」。中国のインフルエンサーが取り上げたことなども後押しし、人気商品は半年待ち。さらに海外を含めた販路拡大を狙うため、強みの企画やマーケティングに専念する一方で、物作りや拡販はビジネスパートナーとともに取り組んでいく考えだ。
海外は中国のほかにアメリカや台湾、香港、インドネシア、マレーシア、シンガポール、ヨーロッパなどの市場を狙う。そのため、世界40以上の国・地域で商標登録している。