加・老舗専門店、ホルトレンフルーの実力(杉本佳子)

2017/06/24 11:18 更新


 カナダ最大の都市、トロントにある大型高級アパレル専門店のホルトレンフルー。180年の歴史をもつ老舗でありながら、最先端のファッションを提供している。規模的にはデパートのイメージで、アメリカでいったらイメージではバーニーズが近い。年間の来客数は2500万人に及ぶという。

 日本やアメリカではデパートも大型高級アパレル専門店も低迷しているが、6月初めにトロントで開催された第5回ワールドデパートメントストアフォーラムでは、メキシコのエル・プエルト・デ・リヴァプールなど、買収を積極的に進めて成長を続けているデパートの存在も報告された。カナダもアメリカより少しいいという。

 その中でも、ホルトレンフルーは裕福で革新的なファッションを好むお客をつかんでいるようだ。ホルトレンフルーは第5回ワールドデパートメントストアフォーラムのスポンサーの1つで、最終日にはストアツアーと閉会レセプションも主催した。

 トロント店では現在、ニューヨークのメトロポリタン美術館のコスチュームインスティチュートで開催されている川久保玲展にあわせ、1階でプレイコムデギャルソンにかなりのスペースをさいている。




 婦人服売り場の階段を上がった一角では、特定のブランドの服と小物をまとめてディスプレーする手法をとっている。これにより、そのブランドへの注目度が高まるという。




 5月から9月までの夏向けポップアップストアを集積した売り場では、オールバー・ブラウンのカスタムメードのスイムパンツをつくれるコーナーがあった。

 スイムパンツにプリントしたい写真を入力し、丈やサイズを選べる。価格は595ドル!父の日向けへの期待もあったようだ。個人的には「6万円のスイムパンツ、凄いなぁ」と秘かに思ってしまった。




 2014年にオープンしたメンズ館で一番場所をとっているのはトムブラウンだ。写真は2階のフロアだが、これとは別に、1階の入り口を入ったすぐのところに9体くらいマネキンが並び、2階には別途、ニットなどの単品をたたんで売っている売り場があった。

 ニューヨークでこれほどトムブラウンにスペースをさいている小売店はない。とても売れているという。 今秋からは、トムブラウンのウイメンズも扱い始める。






すぎもと・よしこ 89年秋以来、繊研新聞ニューヨーク通信員としてファッション、ファッションビジネス、小売ビジネスについて執筆してきました。2013 年春に始めたダイエットで20代の頃の体重に落とし、美容食の研究も開始。でも知的好奇心が邪魔をして(!?)つい夜更かししてしまい、美肌効果のほどはビミョウ。そんな私の食指が動いたネタを、ランダムに紹介していきます。また、美容食の研究も始めました(ブログはこちらからどうぞ



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