伊勢丹新宿本店は、2階のヤング向けゾーン「イセタンガール」が新しい客層をつかんでいる。2月中旬に自主編集売り場「アキュートガール」を新設した効果で、20代の来店客数、客単価が上昇。3月の売り上げは、前年水準を確保する見込みだという。
アキュートガールは、イセタンガールの約4分の1のスペースを充てた自主編集売り場。デジタル社会で育ち、SNS(交流サイト)で趣味嗜好(しこう)を発信する18~34歳をターゲットに、3階「リ・スタイル」の〝エントリー版〟と位置付けた。国内外から30~40ブランドをセレクトし、モードとカワイイを発信。「世界のヤングファッションを集積することが理想」として、売り場は「ラブモチーフ」「ガーリーセクシー」「クラシカルファニー」の三つのテーマで編集した。
扱いブランドは「スレトシス」「ピーターイエンセン」「ミキオサカベ」「オランピアルタン」「フィフィ・シャシニル」など。
13年の婦人服フロアのリモデル以降「イセタンガールとしてヤングを取り込みきれていなかった」ことから、既存顧客の〝良家の子女〟とは異なる個性やこだわりを持つ層にもアプローチするのが狙い。原宿・竹下通りのセレクトショップ「ファリーン・トーキョー」オーナーのベイビーマリーと協業したPBの販売や、SNSのインスタグラムを使った情報発信などを行っている。
オープン以降、10~20代の客数が約10%増えた。「特に20代前半の伸びが目立つ」といい、訪日外国人も多い。客単価は約2万5000円のイセタンガールに対し、アキュートガールは約4万円。イセタンガールと他売り場の買い回り率は、これまでの2倍以上の約30%にまで高まっている。