【記者の目】サステイナブル施策が進展するには? 欧州連合の動向に注目

2024/07/29 15:00 更新有料会員限定


駐日欧州連合代表部と繊研サステイナブルコミュニティーの共催セミナーで、同代表部一等書記官のネヴェナ・マテエヴァ氏が登壇し、CSDDDについて解説した

 欧州連合議会は4月、企業活動による人権や環境への悪影響を予防・是正する義務を企業に課す「コーポレート・サステナビリティーデューデリジェンス指令」(CSDDD)を採択した。世界のサステイナブル政策をリードする欧州連合の動向は、日本の繊維・ファッション産業にも影響を与える。産業の変革が進むなか、サステイナブル政策の動きが注目される。

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倫理観をベースに

 日本政府のサステイナビリティー関連の法規制へ向けたアプローチは、こうだ。「ハード・ロー」(法的拘束力のある社会的規範)を避けつつ、日本的な考え方に基づいて制度を策定し、欧州の規制と連動しながら動いている。法律で強制せず、倫理観に基づく業界の自主的な活動を促進し、少しずつ形を作っていく。そして、業界全体の流れを見極めてから、公平な競争の条件の形成に向けて一気に規制をかけるのが、政府の法制化のポイントだ。

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