関西物流展 ECの伸びを背景に自動化機器・都市型倉庫の提案が目立つ

2022/07/01 06:25 更新


物流問題への関心の高まりから初日から活況

 「第3回関西物流展」が大阪・インテックス大阪で開かれた。ECの伸び、物流現場での人材確保難などを背景に、自動化・省力化ピッキングシステムや大都市圏での物流施設の提案などが目立った。アパレル業界では、企業向けユニフォームの提案に力が入っている。

 自動ピッキング機器では、ノルウェー企業が開発した「オートストア」、フランス企業が開発しIHI物流産業システムが販売代理店を務める「スカイポッド」など、自律走行型ロボットや多層型倉庫などを組み合わせたシステムがデモンストレーションを交えて提案された。

 三菱商事は、小型の立体型仕分けロボ、棚やパレットの搬送機、ピッキングロボを組み合わせ、設計から運用・保守まで行う「ロボウエア」サービスを披露。購入・レンタルを選べるほか、既存倉庫のレイアウトを活用でき、繁忙期・閑散期にレンタルロボットを増減できる柔軟性も特徴。「中小・中堅規模のアパレルメーカーでも使いやすい」とする。

 EC物流ではラストワンマイル戦略がさらに重視されてきた。これに対応し、主要都市で物流施設を運営する各社も自社のネットワークをアピールする。大和ハウス工業、日本GLP、三菱地所、プロロジスなどがそれぞれ大きなブースを構えた。

 物流現場の人材確保、職場環境の改善、企業のイメージアップも急務であり、ユニフォームアパレルも複数出展した。コロナ禍で営業戦略などが進めにくかった半面、「社内の改革に力を入れる経営者が増え、ユニフォームもその大きなツール」と原田(山口県防府市)。同社ブースでは、商品だけでなく、オーダーユニフォームで企業のイメージアップを進める企業をビジュアルな動画で紹介するメディアサイト「ユニフォーマーズ」の紹介など、新しい取り組みをアピールした。

「ユニフォーマーズ」の提案に力を入れた原田

 そのほか、アウトドアブランドやコレクションブランドとの協業などさらに進化が進む「空調服」、3年前にワークビジネス事業部を新設し柱部門に育成中のミズノなどがそれぞれ自慢の商品を出展した。

 一方、会場内の特別セミナーでは、ワコール流通の小谷淳顧問(前社長)が登壇。滋賀県・守山の物流センターで、EC対応の物流棟を増設し、秋からの本格稼働を目指している。その現状や戦略などを語った上で、「DX(デジタルトランスフォーメーション)、マテハン、ロボットは重要。ただ、それ以上に現場の知識の応用力、働く人の士気向上や職場環境作りなどが大切」と強調する。EC対応を主眼に導入したGAS(ゲートアソートシステム)のBtoB(企業間取引)物流への応用も具体化しているほか、2月には社員食堂「MORIカフェ」をオープンしている。

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