アダストリアの独自開発素材26年春夏 天然繊維や天然調に注目

2025/07/09 07:59 更新NEW!


リネンや麻ならではのドライなタッチや粗野な表情を再現した合繊が充実

 アダストリアは独自素材の26年春夏向けで、ナチュラルなムードを取り込む。合繊を得意とするが、綿や麻などに注目し、天然繊維や天然調合繊の品番数を昨春夏よりも30%増やした。天然繊維ならではの風合いや着心地の良さを特徴にした新素材を開発した。

【関連記事】アダストリア 素材開発部とR&D本部が連携強化

 「ノーブルリネン」は、麻の粗野な表情と合繊特有の手入れの楽さを備えた素材。リネン45%、ポリエステル40%、レーヨン15%で、UV(紫外線)カットや接触冷感などの機能も付与した。インド産の「シャンカールコットン」は、なめらかな肌触りと光沢感が持ち味。麻調のポリエステル・レーヨンのシリーズは、スラブ糸を使ったり、麻を複合した。ジャケットなどでの活用を想定する。

 定番のポリエステル「コタット」にも引き続き期待する。綿のような風合いが持ち味で、来春夏向けでは、しぼ感を加えて洗いざらしたような表面感にしたり、ボイルのようなシャリ感を出して鮮度を加えた。

 横編みは6種類揃えた。発売から4シーズン目の「アイスウィーニット」では、リネンやリヨセル、レーヨン混を初めて打ち出した。他に、リネンならではのドライなタッチやスラブ感を再現した麻調素材を薦める。しわ加工したシアーやレース調、刺繍を施したファンシーヤーンの編み地など意匠に凝った素材が良さそうだ。

横編みはファンシーヤーン使いや組織、装飾で意匠性のあるタイプに期待

 「機能合繊は強みなので引き続き推したい」と素材開発部布帛チームマネジャーの十亀和弘さん。初披露したのはナイロン「ナナイロン」。酸化チタンの含有量を従来よりも増やし、透けづらく、UV(紫外線)カット性、吸水速乾性などを持ち合わせる。「フレコット」は新作のジャージーで、フルダルポリエステル70%・綿30%を使った。吸水速乾性や接触冷感といった機能を特徴とする。



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事