川辺はカシミヤに特化したリサイクル事業を開始した。企業としてSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みを強めるなか、岡野将之社長は「今のところ、カシミヤのリサイクルは確立されていない。天然の高級素材だからこそ、長く使わないといけない」と強調する。回収したカシミヤを使った製品販売は23年秋以降の予定。先行して今秋からは協力工場のサンプル品や残糸などを用いたストールなどの販売を始める。
カシミヤの知識と長年の実績を持つ強みを生かし、「生まれ変わるカシミヤ」をコンセプトに据えた。店頭や期間限定店などに回収ボックスを設置し、不用なカシミヤ100%製品だけを回収し、リサイクルする。これまでは高価なカシミヤの回収や継続的な工場などの協力体制が難しかったと見ている。カシミヤの生産は中国が多く、回収した商品をそのまま他国から持ち込む場合は「ゴミ」扱いとなるなどの課題もあった。