副資材卸の清原は、アパレルパーツ向けで、顧客との連携をより強め、DX(デジタルトランスフォーメーション)による業務効率化やコストダウン提案を進めていく。22年5月期はクラフト関連の落ち込みが響き減収となったが、アパレル向けは回復傾向にあると見ており、巻き返しを図る。
22年5月期は、クラフト向けのホビーライフ事業で、一昨年の手作りマスク需要からの反動減が大きく響いた。生活雑貨などのライフスタイル事業はコロナ特需関連商品が低調だったが、玩具や理美容商品などが伸び、昨年よりは落ち込んだものの一昨年の業績は上回った。アパレ向け副資材のアパレル事業はメンズ向けの回復が早く、10%ほど伸びた。海外事業部は物流の混乱などで大きな伸びには至らなかった。今期も足元は上海のロックダウン(都市封鎖)での影響による縫製の遅れに伴い、秋物の出荷が遅れているが、今後の回復に期待する。
アパレル事業で主力のレディスアパレル向けは、底を打ったと見る。デジタル化により中堅アパレルや小規模アパレル向けの業務効率が改善。海外資材調達との価格差も少なくなってきているほか、「安定調達や、トレーサビリティーの側面からも選ばれるケースが増えてきた」(斧原正明社長)という。
在庫レス、適時生産ニーズの高まりに合わせ、在庫を持つ強みが生きてくると見ており、DXによる取引先との情報連携を強化する。自社インフラを整えてきたことで、社内の情報連携が進展。営業が外出先でも在庫を確認できるようになってきた。今春に本格ローンチしたBtoB(企業間取引)のオンライン受注サイト「APPM」(アパレルパーツマーケット)は会員数が順調に増加。商品の幅も順次増やしていく方針だ。
仕入れコストは上がっており、顧客からも一定の理解を得られる環境にはなってきているが、コストダウンにも取り組み、物流の効率化などオペレーションコストの削減に力を入れる。顧客との話し込みといったアライアンスをより強めることで、顧客に向けたコストダウン提案なども進める。
一方、海外事業は中国を軸に内販を強化する。円安で商材を売り込むチャンスも増えていると見ており、差別化商材をアピール。ホビーライフ事業は、SNSを活用した発信に力を入れ、マーケティング機能を整備する。