副資材卸の清原がBtoB(企業間取引)オンライン受注サイト「APPM」(アパレルパーツマーケット)を拡大している。24年8月にサイトを刷新し、これまで約250社だった会員企業数は約700社になった。「コンシェルジュのような」機能を拡充したことで、利用を広げている。
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APPMは22年に本格稼働した。副資材のサイズやカラーを一覧で確認でき、1点から注文できるほか、ウェブカタログとしても使える。取引数が徐々に増えてきたため、商品の選びやすさやスムーズな発注、気軽なコミュニケーションをテーマに刷新した。
意識したのは卸ならではの手厚いサービスだ。「副資材は種類も多ければ奥も深く、選定までにコミュニケーションが必要。ECにもその機能を持たせることで、既存取引先にも違和感なく利用してもらえるようにしたい」(後藤亮アパレル事業部商品部DX推進課課長)と考えた。
「SNSで見つけたこの資材と似たものを提案してほしい」といったリクエストには新規導入したチャットで対応している。「こういう商品を探している」といったざっくりした要望に対しては、APPMスタッフが代わりに商品一式を選んでユーザーのカートに入れ、その中から選んでもらう「下書き注文」機能も実装した。客が欲しいパーツが在庫切れだった場合の「代替提案依頼ボタン」もある。
同じコートでも、トレンチやモッズコートなど、種類によって使用するパーツが異なってくる。商品検索では、作りたいアイテム別「おすすめパーツ」をイラストから直感的に探せるコンテンツも揃えた。
検索タグを充実したり、リピート発注や二次加工が簡単にできるようにしたほか、多言語対応で同社の海外拠点でもカタログとして使えるようにした。
登録商品のSKU(在庫最小管理単位)は、サイト稼働時は30万だったが、現在は50万に拡大している。商品データベースの拡充とともに今後も増やしていく方針で、将来的にはEDI(電子データ交換)システム導入などにも結び付けたい考えだ。