デニム整理加工のコトセン(岡山県倉敷市)は、21年からデニムを中心としたオリジナルウェア「ラダー」を立ち上げ、SDGs(持続可能な開発目標)に取り組む企業向けに作業服やユニフォームの提案を進めている。すでに、サンマルクイノベーションズ(岡山市)が4月に東京・赤坂見附に新業態としてオープンしたテイクアウト専門店「ディネマ」に、共同開発のエプロンなどが採用された。
新規事業のラダーでは、繊維加工の安全を証明する「倉敷染」参加企業として安心安全な素材による提案を重視。サステイナブル(持続可能)な染色・加工の素材を活用することで、毎日安心して着られるユニフォームなどを、企業の要望に応じて提供する。
本業以外で、「自社で何か世の中に発信していくものを」と考え新規事業を立ち上げた。社員のモチベーション向上にもつながることから、自社の制服から開発に着手していたが、SDGs達成を目指し新業態を開発するサンマルクイノベーションズから引き合いがあり、企業向け取引が具体化した。
サンマルクイノベーションズは、サンマルクカフェなどを傘下に持つサンマルクホールディングス(岡山市)が新たに設立した100%出資の子会社。テイクアウト専門店ディネマは、フードロスの節減、及び省エネルギー化の実現を目指し、商品の包材の80%は紙や木を使用、一部のプラスチック製品はバイオマスを使用した製品を採用するなど、包材の脱プラスチック化を推進している。
ラダーで共同開発したデニムのエプロンやキャップは、国内生産。衣料製造時に廃棄処分される生地くずをアップサイクルする「ループラス」を使用し、生地加工では倉敷染認定のある加工製品を採用した。
倉敷染は、日本の有害物質規制法の基準をはるかに超える300種以上の有害物質を対象とした国際基準の安全性をはじめ、環境負荷低減に配慮した人と環境にやさしい繊維加工に与えられる安全認定になる。今後もラダーで様々な企業との取り組みを拡大していく考え。