オンラインミュージアム「ラ・ミュージアム」が渋谷で展覧会 1970~2010年代のデザイナーブランドを展示

2025/06/13 06:26 更新NEW!


来場した人が360度から洋服を見られるように展示している

 ビンテージショップ「ライラ」が運営するオンラインミュージアム「ラ・ミュージアム」は6月14~29日、東京・渋谷で展覧会「ラ・ミュージアム・シブヤ」を開く。昨年7月に開設したラ・ミュージアムは、3D技術の専門企業の協力を得て、ライラが保管する服や世界のコレクターの服を撮影したグラフィックデータを展示している。今回はオンラインとオフラインが連動する展覧会となる。

 ラ・ミュージアムは現在、1950~2010年代の「ヒストリーオブモダンファッションデザイン」のパート2を開催し、約250点を展示中だ。その中から、70年代以降の約50点を選び、国ごとに分けて会場を構成する。デイリーウェアを中心に、日本のエリアには三宅一生や高田賢三、山本寛斎など創業デザイナーが手掛けた服が並ぶ。英国エリアはヴィヴィアン・ウエストウッドとマルコム・マクラーレンが作っていたパンクスタイルなど。オーストリア製の「ヘルムート・ラング」のジャケットからは、自国の生産背景を大事にしていたことがうかがえる。

初期の「ヘルムート・ラング」。オーストリア製のチロルジャケットがベースに
ウィーンのメーカーらしき織りネームと「ヘルムート・ラング」のタグが付いている

 「メゾン・マルタン・マルジェラ」は、06年にパリで開催された展覧会で発表した215枚の写真をドレスとともに展示。また、フォトグラファーの青木正一が89年11月にパリで撮影したランウェーや会場周辺の写真をスライドショー形式で上映する。

89年11月に発表された「メゾン・マルタン・マルジェラ」のランウェー写真のスライドショーを上映し、出てくる洋服を展示

■キュレーションを担当したライラのディレクター橋浦秀夫さん

 古着屋で販売する一方で、未来に残しておきたい洋服を保管してきた。公的な美術館に展示される装飾性の高いものではなく、日常的でクリエイションに背景のある服など、個人的な好みで集めた。雑誌やネットでは紹介されていない、多くの人が知らなかった面白さを伝えたい、次世代につなげたい思いでラ・ミュージアムを開いた。僕自身、服は本来触って、着て楽しむものと思うし今回は近付いて360度から見られるように展示した。今後は僕に限らず、様々なコレクターやデザイナーなど他の方にキュレーションしてもらって、発展させていきたい。

オンラインのラ・ミュージアムで紹介する時代的な背景や逸話とともに、それぞれのデザイナーのクリエイションを楽しむことができる


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