イスラエルのジュエリーデザイナー、リオン・ブラッケルさんは、YKKの「ビスロン」ファスナーを使ったユニークなアクセサリーコレクションを限定で制作した。YKKが運営する「ものづくり館byYKK」(東京・秋葉原)で19日まで展示している。
コレクションはリングやブレスレット、ネックレスがあり、それぞれに様々なデザインのビスロンファスナーを使い、金や銀のメッキをした真鍮(しんちゅう)、キュービックジルコニアを組み合わせて作った。ファスナーは一般的に製品の機能を陰ながら支える脇役だが、ブラッケルさんが作ったコレクションはファスナーが製品の〝顔〟のような役割を果たす。
ブラッケルさんはビスロンファスナーのエレメント(かみ合わせの歯の部分)の一つひとつに小さな溝があることに着目した。この溝を利用してキュービックジルコニアを挟んで固定することができた。真鍮のパーツでさらに2点を固定して、キュービックジルコニアを4点でしっかり固定した。
「ファスナーの種類の数だけデザインのバリエーションを作ることができる」とブラッケルさん。日本の国旗を着想源にした赤と白、陰陽を表現した黒と白の組み合わせや、虹のように多彩な色を使ったレインボーコレクション、ハート型のラブコレクションなどを作った。
ブラッケルさんは07年、YKKが協賛するイタリアの学生向けファッションデザインコンペティション「インターナショナル・タレント・サポート」で、「YKKアクセサリーアワード」を受賞。その後10年、オリジナルの「リオン・ブラッケル」の制作活動を続けている。新しい技術と伝統技術の組み合わせや、金属とプラスチックという異なる素材の組み合わせなど、コントラストを楽しめる物作りが特徴だ。