算数で極める達人MDへの道《第2講》㉑(佐藤正臣)

2021/03/09 06:00 更新


来期はどんな商品が売れるのか?売りたいのか?⑥


いよいよこのシリーズ。カテゴリー別売上予算設計も佳境にはいってきましたね。では、Dさん。前回の振り返りを簡単に読者の皆様に伝えてみてください。

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へい(''◇'')ゞ まずは、

①ブランドコンセプト②トレンド分析③過去データ分析

この3項目を踏まえ、以下のようなことを(春夏商品)カテゴリー別売上予算設計する際に意識しました。

A(外)アウターの売上構成比は下げる
B 3・4月はなんだかんだで寒い。(内)アウターの売上構成比は、(外)アウターを下げた分を増加させる
C 今年のトレンドを考えると、ブラウスよりもカットソーに重きを置きたい
D 同じくトレンドを考えると、スカートよりもパンツを充実させたい
F とくに、スカート・パンツの売上構成比は、大胆に数字を変えたい!

私が設計した数字は以下の表をご覧ください。

図2:今期売上設計

★今期カテゴリー予算設計

図3:今期予算設計対過去データ対比

*過去総括



Dさん。復唱ありがとうございます。表を確認してみると、

A→前年・前々年に対して、(外)アウターの予算が90%弱まで数字を下げている
B→(内)アウターの予算が、過去に対して、春物を160~180%。夏物を110%以上なっており、数字に反映されている
C→カットソーの予算が、過去に対して115%前後。ブラウスが90%弱となっており、数字に反映
D・F→パンツの予算が過去に対して140%前後。スカートは65%前後となっており数字に反映

Dさん素晴らしいです!


あざーっす(''◇'')ゞ


では最後に、今回のカテゴリー別売上予算を設計する際の纏めをのべていきます。


へい。お願いしますm(__)m


これは、このMDの予算設計シリーズが始まってからずっと述べていることなんですが、MD予算設計の目的は?

”(次期・次シーズンの)自分たちのショップのMDにおける”意志”と”仮説”を数字で表現すること!”

が目的なんです。

とくに今回のカテゴリー別売上予算の設計の精度によって、次シーズンの売上を大きく左右するという、MDにとっての予算設計の仕事においてクライマックスとも言えるところです。

このこととMDの商品面での仕事である、MDディレクションや商品の投入計画MAP等が、このDさんがカテゴリー別売上予算設計した数字と一致しなければならない!ということになります。


へい。今回は私のない頭を使って、商品のディレクションMAPとカテゴリー別売上予算を一致させるつもりで頑張りました(''◇'')ゞ


はい。Dさん今回は本当に頑張ったと思いますよ(笑)。そして、今回Dさんが頑張ったことは...

・過去のデータをしっかりと探って、良い点は活かし悪い点は修正し”仮説”をしっかりと立てた
・自分たちのショップコンセプト。そして今年トレンドを見据え、数字に”意志”を入れた

このことになります。


せんせ。ありがとうございますm(__)m いつものブラボー!!じゃなくて、本心から嬉しいです( ;∀;)


(@ ̄□ ̄@;)!!いつもは喜んでなかったんですね_| ̄|○ では、最後まとめに入ります。

MDにおけるカテゴリー別売上予算を設計する際は、カテゴリー別売上構成の設計を適当に行ったり、シーズンの流れを読み違えて失敗したりすると、そのシーズンの売上に大きな影響がでる。

だからこそ、自ブランド・ショップの過去データをしっかりと調べ分析し、仮説を立てる。そして、カテゴリー別売上予算を数値化する場合には、自ブランド・ショップのコンセプト。トレンド等を加味して、数値に”意志”をいれることが重要である。このことをしっかりと覚えておきましょう!


へい(''◇'')ゞ


では、次回から新しいシリーズに入ります。


せんせ。どんなことを講義してくれるのですか?


Dさんのところは、セレクトショップで商品によって大きく値入率(仕入原価率)が違いますよね?


へい。その通りです。


そんなことを講義していきます。では皆さん。次回もお楽しみ。


おたのしみに(@^^)/~~~



佐藤正臣

95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立上をMDとして担当。10年よりフリーランスとして活動開始。シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。現在、多方面で活躍中。www.msmd.jp



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