MDが使う「算数」をショップ運営に役立てよう!《第3講》㊶(佐藤正臣)

2024/05/01 06:00 更新


(第3項)ショップの在庫は足りないの?多いの?

最後に~販売の仕事に従事されている皆様方にお伝えしたいこと~

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今回が最終回となります!!



これで最終回だと思うと、なんだかとても寂しいです。



私はせんせとの付き合いがあまりにも長いので(約8年弱)、これでせんせと会う必要がない!という安心感でいっぱいです。


(T_T)。

気を取り直して、これまでの講義を踏まえて、ショップマネージャー(店長)の仕事、そして販売の仕事に携わる皆様方に、お伝えしたいことがあります。

“(アパレル小売の)販売の仕事がしっかりと出来れば、(アパレル小売の)どの職種になっても良い仕事ができる!!”



私も販売出身で、バイヤー→MD→部長と経験しましたが、私もせんせと同様の意見です!



私たちの職場環境を良くすることにご尽力くださったDさんから、そのような言葉をいただけると、なんだかとても自信が持てます!



Tさんありがとうございます。

では、アパレル小売の販売の仕事にはどのような仕事があるのか、以下箇条書きします。

  • 接客
  • 在庫関連の仕事
  • VMD
  • 売上等数字分析
  • SNS等のデジタル関連の仕事

また、店長職ともなると、スタッフのシフト管理や今回の連載の話にも繋がる目標設定・管理の仕事等のマネジメント仕事があります。

では、販売の仕事が(アパレル小売の)どのような職種の仕事と繋がりがあるのか、それぞれに考えてみましょう!



よろしくお願いいたします。



まずは接客です。

かつての私は人と話すのが苦手でしたが、販売職でお客様に接客を行うようになってからは、人前で話すことが苦ではなくなりました。そんな私が、現在では人を集めてセミナー等が開催できるのも、販売の仕事で接客した経験があったからです。

また現在では、接客が上手な人は、各企業からも注目されており引く手あまたです。当然のことながら、現在では多くの金額を稼ぐ販売員の方もいらっしゃいますし、ライブコマース等の普及で、その仕事の価値は高まっています。さらに言えば、接客で身につけたスキルは、卸売業の営業職にも役立ちます。



せんせが仰ったことをさらに補足すると、接客を学ぶことで、丁寧な言葉使いを学ぶことができます。当たり前のことかもしれませんが、意外にきちんとした言葉遣いができない方々も多いですから、丁寧な言葉遣いができることは、どの職種に就いても有利に働きますね。



Dさん。補足ありがとうございます。

次は在庫関連の仕事です。

ショップの仕事における在庫関連の仕事は、当然のことですが、私の専門であるマーチャンダイザー(以下MD)の仕事と直結しています。日々ショップのバックヤードを整理整頓することで、商品の良し悪し(適品)・商品を投入するタイミング(適時)・商品の数量(適量)等を学べますから、MDを目指すには販売の仕事を経験していることが圧倒的に有利になります。

また、ショップの仕事では日々、(商品の)店舗間移動等の仕事もありますから、ディストリビューターの仕事をするにしても有利になります。



なるほどです。



次はVMDの仕事です。この職種もショップの仕事を経験している販売員の方が圧倒的に有利なのは間違いありません。

ショップによっては、凝ったウィンドウディスプレイもショップスタッフに任されている場合もありますから、装飾が好きな方は、そのような職種を目指すのも良いでしょう。

また、毎日商品が変わりゆく中で、お客様の購買行動・気候・自分たちショップの在庫状況を鑑みながら、ショップのレイアウト(商品配置)を考えていくことは、VMDという職種のみならず、MDにおいても重要なことですから、ショップのVMDの仕事がMDという職種に役立つことはいうまでもありません。



因みに私はショップのレイアウトを行う仕事が好きです。



そして、次は売上等の数字分析の仕事です。

ショップの責任者ともなると、日々の売上から逃れることできません。また、組織のマネジメントにおいて、目的・目標を受け手にわかりやすく伝えるためには、数字を分析・活用することが重要となります。

今回の講義では売上を(買上)客数×客単価に分解して、ショップの目標設定・管理を行おう!という話を進めてきました。数字分析の仕事は、店長のみならずスーパーバイザー(以下SV)や部長職でも日々行わなければなりませんから、その仕事の精度を上げることができれば、SVや事業部長は当然のことながら、その先の出世が期待できます。

また、見方を変えれば、このような考え方は、EC関連の分析にも繋がります。ECは実店舗以上にデータの取得が可能ですから、数字分析が好きな方はEC関連の職種にも向いているといえます。



なるほどです。



最後にSNS等のデジタル関連の仕事です。

私が販売員の仕事をしていた20数年前は、このような仕事は存在しませんでした。しかし現在ではSNSの普及で欠かせない仕事になっています。実際に、多くのフォロワーを獲得しているインフルエンサー販売員も生まれていますし、多くのフォロワーを獲得できているということだけでも、販売の仕事によって得たフォロワー数は、自身の“付加価値”になります。

ある意味、知名度は最大の武器になりますから、販売の仕事で得た知識を武器に、自らがディレクターに就任しブランドを立ち上げることなども現実的なことであるといえるでしょう。



なるほどです。私はやっぱり販売の仕事が好きなので、まずはSVを目指して頑張ります!



Tさん、ありがとう。せんせは基本的にポンコツですが、役立つことを教えることは信頼できるので、今回の講義を活かして、是非SV、さらにはその先を目指して頑張ってください!


(ポンコツって…。)

ということで、この講義も終了です。最後に私からショップマネージャー(店長)の職に就いている皆様方と販売の仕事に従事されている皆様方へ向けて、一言述べさせて頂き講義を終了いたします。

販売の仕事、その中でもショップマネージャー(店長)の仕事は、様々な要素が詰まっており、一番学びが多い職種です。お客様と直に接し、顔を見ながらお金を頂戴出来る仕事というものは、世の中に多くありません!そんな貴重な経験を積んでいる皆様方の今後の飛躍を心より願っております。



長きにわたって連載をご覧頂き、誠にありがとうございます。いつかまたどこかでお会いしましょう!


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佐藤正臣 95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立上をMDとして担当。10年よりフリーランスとして活動開始。シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。現在、多方面で活躍中。www.msmd.jp



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