MDが使う「算数」をショップ運営に役立てよう!《第3講》㊵(佐藤正臣)

2024/04/17 06:00 更新


(第3項)ショップの在庫は足りないの?多いの?

10.売れ筋商品の立ち位置を具体的に把握するには?④

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今回は、実際に商品を活用したショップの目標設定を行います。Dさん、Tさん、よろしくお願いいたします。



よろしくお願いいたします。



売れ筋商品の設定は、前回の講義で使用したものを引き続き活用します。以下が架空の組織の特徴と売れ筋商品の設定です。

  • 50店舗展開(EC売上構成比30%)のアパレル小売の組織。(*今回は店舗間の売上格差は殆どないということに致します)
  • この組織の曜日別売上構成比は、平日の1日あたりの売上構成比は10%。土日1日あたりの売上構成比は25%。
  • この組織のMDが一番数量を多く発注した商品A。販売期間2か月。初回発注数量は8000点。
  • 商品Aの元売価は9000円。リードタイム2か月で追加発注できない。

前回の講義で、商品Aのショップ1店舗あたりに売れるペースはどのくらいか考えましたが、Tさん、覚えていますか?



はい。商品Aのショップ1店舗あたりに売れるペースは、

 →8,000点×(1-30%)=5,600点(実店舗の必要商品数)

 →5,600点÷50店舗=112点(1店舗当たりのショップの売上期待数量)

 →(112点÷61日)×7日=約13点(1週あたりの平均売上数)

 →13点×10%(平日1日あたりの平均売上構成比)=約1.3点

 →13点×25%(土日1日あたりの平均売上構成比)=約3.2点

平日1日あたりの売上数量は約1.3点。土日1日あたりの売上数量は約3.2点となります。



素晴らしいです。正解です。

ということで、今回はショップの週間売上予算を追加設定します。架空のショップAの週間売上予算は以下の通りです。

  • ショップAの週間売上予算は200万円



せんせ、細かい設定ありがとうございます。この設定から、ショップの業務分掌ごとの目標設定を行うのですね?



流石Dさん、その通りです。では今回は、DさんがショップAの目標設定を考えてみてください!



承知いたしました!



Dさん、素晴らしい見本よろしくお願いいたします。



まずは、商品Aの数字目標を改めて確認します。

商品A週間での売上目標数は、Tさんが計算してくれた約13点となります。ということは?

 →9000円(商品Aの元売価)×13点≒117,000円(商品Aの売上金額目標)

 →117000円÷200万円(ショップAの週間売上予算)=5.9%

となります。まずショップメンバーには、

「商品Aを13点売る!という目標を達成するだけで、ショップの週間予算の6%は達成できるのよ~!」

「週間予算を達成するのは、高いハードルではないでしょ!」

という意識付けを行います。



なるほどです!



そして、ショップ業務分掌ごとに具体的な目標を設定します。今回目標設定を行うショップ業務は、VMDと在庫管理です。

まずは、VMDの目標設定です。

【VMDの目標設定】

商品AをVPに配置。わかりやすいDPを作成するだけでなく、毎日ショップの誰かに商品Aを着用してもらう。

さらに言えば、SNSやブログで商品Aを使用したコーディネートを発信するなどもしたいですね。



なるほどです!



次は、在庫管理業務の目標です。

【在庫管理業務の目標】

ディストリビューター(以下DB)と連携を取り、平日はできれば在庫3点(1日平均売上数1.3点のため)土日は在庫5点(1日平均売上3点)、確保できるように行動する!

更に目標よりも売上ペースが早ければ、DBと連携をとりショップの基礎在庫を積み増ししてもらう。出来れば、水曜日くらいまでに判断するようにする。

簡単にはなりますが、このような目標設定をおこないます。



Dさん、ありがとうございます。私も早速明日から、Dさんを見習い商品の目標設定・管理を実践します。



Dさん、突然お願いしたにもかかわらず、売れ筋商品を活用したショップの目標設定をしていただき、ありがとうございます。

ということで、今回の講義の重要なポイントは、

売れ筋商品の売上を分解し、売れるペースを把握することで、ショップの目標設定・管理に活用できる。そのことで、スタッフの(目標達成への)“やる気”を引き出すことが重要である!

こちらを意識していただければ、嬉しく存じます。

ということで、次回の講義が最終回です!最終回は、販売の仕事の重用性・素晴らしさをお伝えします。



いよいよ最終回なのですね。とても感慨深いです。



では、皆さん。次回もお楽しみに!

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佐藤正臣 95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立上をMDとして担当。10年よりフリーランスとして活動開始。シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。現在、多方面で活躍中。www.msmd.jp



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