ヤマトマネキン(東京)の環境に配慮したバイオマスボディー、マネキンが都内の売り場で採用され始めている。一般的なマネキンの半分の重量で実用性も高い。今後は製品バリエーションを増やし、普及を目指す。
9月、都内の有力百貨店が開催した期間限定イベントでバイオマスマネキンが採用された。これまでにボディーが採用されたケースはあったが、マネキンは今回が初。都内にある別の百貨店でもボディーも含めて新たに採用が決まっている。
採用されたマネキンは、植物由来の原料であるポリ乳酸がベースのバイオマスプラスチック製。バイオマス比率は30%。腕や脚などとの連結部品もバイオマスプラスチックを使っている。
特徴は軽さと耐久性で、持ち運びや着せ替えがしやすい。重量は一般的に売り場で使われているFRP(繊維強化プラスチック)製マネキンの約半分の4㌔台を実現した。「FRP製だと落とした時に割れたり、欠けたりすることもあるが、軽いため落としても跳ねるくらい」という。自社で簡易金型を開発・制作したため、量産が可能となり、従来品と比べてコストを抑えることができた。
今後、バイオマスマネキンは「エアースタイリスト」の名称で販促をかけ、レンタル需要を開拓する。同時に売り場の要望を反映した製品バリエーションを拡充する。マネキンを採用した売り場からは、「色々なポーズができるようにしてほしい」との要望があったため、肘部分などの関節が可動するタイプを開発しており、来年には揃う予定だ。
同社は、09年から木くずやもみ殻などを利用したバイオマス製品を業界で先駆けて提案。使用後は粉砕してRPF(固形燃料)化して再利用する仕組みを整えた。12年にバイオマスマネキン、13年にはバイオマスボディーで特許を取得している。