《めてみみ》成長と競争と

2019/01/23 06:24 更新


 中国の18年のGDP(国内総生産)が前年比6.6%増と発表された。その資料を見ていると四半期ごとの成長率は17年第1四半期から徐々に下がっている。一定規模以上の工業増加値や固定資産投資も同様で減速している。

 中国国家統計局の局長はGDP公表後の記者会見で、経済規模はドル換算で13兆6000億ドルと世界第2位を維持し、世界経済の成長率に対して貢献率が30%近いと強調、今後も成長維持に向けて経済構造の最適化を進める方針を示した。

 中国経済の成長を支えているのは消費だ。最終消費の経済成長に対する貢献率は76.2%で、前年比18.6ポイントも上昇した。中国の人口は約14億人。そのうち世帯収入が10万~50万元の中間所得層は4億人、世帯数にすると1億4000万世帯になるという。

 全国民の消費支出は6.2%増加した。そしてエンゲル係数は28.4%と0.9ポイント低下した。局長はOECD(経済協力開発機構)加盟国が30%以下であるとし、先進国並みのレベルになったことをアピールした。それに伴い、消費は多様化し始めている。旅行業や映画興行収入は10%を超える成長となった。社会消費品小売総額も鈍化したとはいえ9%伸び、衣料品も8%伸びた。余裕のある世帯が着実に増えている。それを取り込むための競争が激化していきそうだ。



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