《めてみみ》胸襟を開く

2019/09/19 06:24 更新


 日系企業で中国人総経理が少しずつ増えてきた。取材すると「総経理になってから心掛けてきたのは中国に根を張ること」という言葉をよく聞く。各社とも中国内販を強化しているためだ。そこで課題になるのが回収の問題。「中国企業で優秀な経理とはお金を払わないこと」と言われるほど、中国での回収は難しい。

 日本本社としては中国人をトップに据え、回収率の向上を狙おうという意図も読み取れる。現場で働く中国人にとっても、中国人がトップになればモチベーションは上がるだろう。

 ある中国人総経理が「日本企業は前もって問題点を知りたがる。中国企業は走りながら修正していく。日本は問題を未然に防止するのは当たり前。中国は問題が発生するのが当たり前」と両国の違いを説明する。

 中国へ赴任した日本人が必ず直面する問題だ。「日本企業が中国でビジネスするチャンスは拡大している」と別の中国人総経理は指摘する。「フェイス・ツー・フェイスで信頼関係を作るのは中国も日本も同じ」とも。中国企業の間でも品質やサービスの良さに加え、最後まで責任を持つ日本企業の姿勢は評価されている。多少、値段が高くても商売が始まるのは、日本企業のそうした良さを評価されてのこと。言葉の壁はあるが日本人も胸襟を開くことが、求めれているのかもしれない。



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