《めてみみ》再開の足取り

2020/03/04 06:24 更新


 上海へ戻り3週間が過ぎた。街中を走る自動車や歩く人は増えたように感じる。しかし昼間に地下鉄を利用する人は少ない。先週末の午後に乗ったら1両当たり数人しかいなかった。感染を心配し、外出する人は少ない。上海の地下鉄は通常でも終電は早いが、さらに繰り上がり午後9時ごろの路線もある。

 大型の商業施設やスーパー、コンビニエンスストア、薬局などは春節(旧正月)から営業を続けている。スーパーには食料品が豊富に揃い、上海では生活に不便を感じない。ネットで生鮮食品など生活必需品を注文する人は多い。人気の少ないスーパーで、ネット注文をさばく人だけが忙しく動き回っている時もある。

 住居も外に出る時は守衛からカードを受け取り、戻ったらカードを返却しなければ入れないマンションが多い。商業施設だけでなく多くの居住地域で検温を実施している。旧フランス租界では、小さな路地が入り組んでいるため、各路地の入り口で守衛が検温をしたり外来者のチェックをしている。ネット注文を配送する人たちが居住地域の中に入れないのは、どこも同じで、注文した人は門まで取りに行く必要がある。

 厳しい行動制限が続き、感染者の増加速度は減速している。そのためか路面に面した小さな衣料品店や飲食店、理髪店などが少しずつ営業を再開し始めた。



この記事に関連する記事