《めてみみ》日々の把握

2020/03/18 06:24 更新


 新型コロナウイルスの影響は東南アジアの産業チェーンにも及んでいる。日本向け輸出が増えているベトナム紡織業は、使用素材の55~60%を中国から輸入している。中国の19年貿易統計をみると「紡織用繊維とその製品」(第11部)のベトナム輸出額は1034億元。日本向けは1330億元、輸出額は日本に次ぐ規模となっている。

 現地からの報道によればベトナム繊維協会(VITAS)は、3月末までは生産を維持できるが、3月に中国や日本、韓国から十分に素材が輸入できなければ、4月から原材料不足に陥るとの見通しを示している。19年の繊維輸出は390億ドルで、米中貿易摩擦の影響で目標の400億ドルを達成できなかった。

 繊維産業はスマートフォンなどに次ぐ第3位の輸出製品で同国にとって重要な産業だ。そのためVITASはインドへ代替素材を求め調査団を派遣している。

 中国メディアによれば、カンボジアの繊維産業も60%以上の原材料を中国から輸入している。3月3日時点で33工場が原材料不足で操業停止し、2万人近い労働者が失業のリスクに直面していた。政府からの要請もあり、9日には原材料を積み込んだ60本以上のコンテナが中国からシアヌークビルに到着した。ウイルスの影響は時間差で拡大している。日々の正確な状況把握が重要だ。



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