《めてみみ》卸業の今

2020/04/17 06:24 更新


 「遅れていた商品がようやく入ってきたので、予約をもらっている小売店への配送が続いている」。婦人服の卸専業の従業員が話してくれた。休業要請が出された翌日。大阪の繊維関連の中小卸商が集まる館を見て回った。一般小売り併用型の「物販店」も多い館だ。館自体は時短営業だが、いわゆるSCとは違うため、過半の店が営業している。

 配送作業していたのは、中国・アジアから届いた商品。一部キャンセルもあったようだが、結構忙しそうだった。3月末ごろから次々と入荷しているという。一方で、別の婦人服・雑貨店に聞くと、「小売り、卸とも駄目」。ただ、営業している地方店からの発注があるため、オーナー一人で店を開けていた。

 3月の取引は2月から半減、4月はさらに厳しいという婦人服卸専業も。「地方はここまで止まっていない。電話注文がある」と最小人数で営業している。「閉めても家賃・管理費がかかるから」という卸・小売り併用のバッグ店は、「7月まで続くのかなあ。でも収まった時に向けて、品揃えは準備しておかないと」と先を見据える。

 緊急事態宣言の対象地域以外でも、県などの自粛要請が相次ぐ。休業する商業施設や小売店は広がり、先行きは厳しい。これ以上、各地域で自粛要請が出ないためにも、感染のできるだけ早い終息を願う。



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