21年春夏の世界のファッションウィークが終了した。ファッションウィークには参加せず、独自のスケジュールでコレクションを見せるブランドもあるが、各都市はなんとか従来のスケジュールをこなしたといった印象だ。コロナ下でファッションはどうあるべきなのか、デザイナーたちはそれぞれ自問しながら新作を作り上げた。
多くのデザイナーが示したキーワードに「オプティミズム(楽観主義)、ポジティブ、前進」がある。今、世界が置かれている状況下でも、前を向いて進んでいくんだという決意のように受け取れる。そして、そんな前向きに歩いていく健康的な女性像というのが来春夏の象徴的なイメージとなる。
トレンドとなるスタイルにも、自然の持つ生命力や草花のきれいな色を背景にした「ナチュラル、ボタニカル」や健康的で若々しいスタイルの「ヘルシーガール」などが浮上した。ロックダウン(都市封鎖)を経て、自然への憧れや健康であることへの価値観の高まりが背景にある。在宅期間が増えるというライフスタイルの変化の中で、快適さも重要なキーワードだ。ジャージーアイテムやトラックパンツなど快適な着心地のアイテムが広がった。
コロナ下で、人々が求めているファッションは何なのか。その気持ちに応えるデザインをデザイナーたちは探っている。