《めてみみ》地方でこその力

2021/04/28 06:24 更新


 「ネ・ネット」や「にゃー」のデザイナーを務めた高島一精氏。エイ・ネット退社後は、動物のイラスト展の巡回、インスタグラムでの個人向け受注などで多忙な日を過ごす。郷里の熊本県を人一倍愛し、「熊本に役立つことなら何でもやりたい」と力を込める。

 スポーツの名門である熊本市の九州学院に入学。小中学校から続けたサッカー部に入るが、「きつくて3日で辞めました」。卒業後に上京し、デザイナーを志す。熊本生まれ、九州学院、文化服装学園と、プロフィルは田山淳朗氏と全く同じ。しかし、「実は存じ上げなくて。進路相談の先生から『こんな先輩がいるよ』と教えてもらったのが最初」と正直な弁。もちろん、今は親交が厚い。

 緊急事態宣言が再び発出され、都市圏は試練の日々が続く。一方、熊本では大型商業施設のアミュプラザくまもとが22日に開業した。熊本地震の復興のシンボルである熊本城の復旧工事も終わり、5年ぶりの公開を待つばかりだ。

 両氏ともに、文化服装の連鎖校である熊本のヒロ・デザイン専門学校で講師を務める。ある時、高島氏は学生を前に、「これからは、必ずしも東京に出る必要はない。自然に恵まれた地方でこそ生まれる自由な発想があるはず」と語っている。地方の力をどう生かすか、閉塞(へいそく)感を打破する大きなポイントの一つだ。



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