《めてみみ》一等地の再開発

2021/07/27 06:24 更新


 都内の二つの百貨店が店舗の建て替えを発表した。両店とも開業から50年以上経過し、建物が老朽化していた。グループの不動産を再開発で高度利用するのが狙いだ。複合商業施設になる見通しだが、従来通りの百貨店が入るかは未定。都心の一等地に立地し、高収益が必須となる。

 東急と東急百貨店、LVMHグループのLキャタルトンリアルエステートの3社は、東急百貨店本店と文化複合施設のBUnkamuraを一体的に再開発する。東急百貨店本店は23年春以降に解体工事に着手。Bunkamuraは大規模改修のため、同年4月から長期休館する。

 小田急百貨店は新宿店本館の営業を22年9月末に終える。小田急電鉄と東京メトロなどが推進する新宿駅西口再開発に伴い、建物は解体される。本館跡地には地上48階、高さ約260メートルの高層ビルを建設し、完成は29年度の計画。新宿店は22年10月以降、本館に隣接する新宿西口ハルクを改装して営業を継続する。

 東急百貨店は渋谷駅再開発に伴い、食品専門店「東急フードショー」や雑貨の新業態などを出店し、独自の多事業化ビジネスモデル「融合型リテーラー」を推進する。小田急百貨店も新宿駅西口の再開発へグループの資産・機能を活用、新規事業を強化する。いずれもコロナ後を見据えて事業構造改革を加速させる考えだ。



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