上海ではディズニーランドの新型コロナウイルスの一件が話題になっている。入園者に濃厚接触者がいて、その人物が乗車中の高鉄で捕捉された。その後、園が十数時間ほどで消毒され、関係者約3万人のPCR検査を行い、陰性と判明したのだ。
10月中旬から中国全体で感染者が広がり、11月5日から上海で始まる輸入博覧会に向けて予防策が取られていた中での一騒動。入園者が数万人となると、身近に影響が出てくるのではと心配されている。一方で、中国では「個人の所在地がデータで追跡」され、「隔離・消毒・検査まで瞬く間に解決してしまう」ことも、改めてよく分かる出来事だった。
それ以前に話題となった「電力供給制限による工場停電」は、まだ続いている。上海都市部ではその制限をほぼ体感できないが、最近、自宅周辺のビルの電光が暗くなったように感じる。
アパレル生産にも影を落とし、一番打撃を受けている工程が縫製と言われる。素材の生産や染色は機械化が進んでいて深夜の生産で対応できているが、縫製は工員が必要で、残業代を払うと伝えても夜の作業では希望者が集まらないらしい。納期遅れは確実視されており、関係者は「いま日本では何が販売されているんだろう」と心配していた。中国ではデジタルや機械化、省エネルギーの動きが一層早まりそうだ。