中国ではECデータ解析だけで事業を回す企業に勢いがある。例えばコスメブランド「花西子」「完美日記」は、商品企画から販売まで人が介在する余地がないほどデータで意思決定がなされているという。売れ筋情報を「収集」「作る」に特化すればよく、「中国市場はデータ100%で回せ」と提言する人もいる。
ただし問題は「認知度」。商品を知ってもらわないと異国で売るのは困難だ。その点で期待されてきたのが「日本製品好きの中国人」だ。しかし、今は様相が変わった。SNSマーケティングを上海で行っていた友人は「上海で日本を好きな人は想像より少ない。日本に滞在する中国人への認知度向上で構わない」と潔く見切りを付けて帰国した。数年前の爆買いそのままに「品質・安心の日本品は今もファンがいる」はもはや成り立たなくなった。
加えて、今までは「日本品の良さ」をSNSで伝えてくれた中国人消費者兼インフルエンサーが、ライブコマースという舞台に移った。例えると「パフォーマンスで驚き、インパクトと信頼を伝えて売る」時代を迎えつつある。
商品を選ぶ基準が横一線となった中国市場で、新商品・ブランドを根付かせるには「演出と即興力」も磨く必要が出ている。データ解析と即興力に対応した日本企業の登場に期待をしたい。