株価が乱高下している。日経平均株価は8月2日に急落し、87年の歴史的な暴落「ブラックマンデー」に次ぐ下げ幅を記録した。動揺が収まらないまま、5日にはブラックマンデーを超える過去最大の下げ幅となり、一気に3万1000円台に。6日には大幅反発した。つい先月、初の4万2000円台乗せと、声高に言われていたのがうそのようだ。
為替相場も大きく円高に振れ、1ドル=140円台へ突入した。米国など世界経済の減速感や輸出主導型の企業の業績悪化などへの懸念、日銀の利上げなど様々な要因が複合したものだろう。株価同様、あまりにも急な為替相場の変動は経済を混乱させるばかりだ。
輸入の多いアパレル業界にとっては、円高はコスト的にはプラス要因。半面、株式相場の高騰で保有資産の増加を喜んでいた人やインバウンドの購買意欲を減退させる。生地輸出にも向かい風である。
とはいえ、海外の供給先、あるいは販売先との関係は、かつてとは異なってきた感がある。海外の供給先は、価格対応以上に、納期や品質が安定しているメーカーが望ましい。販売先の関係で見ても、今や日本品に対しては価格よりも商品特徴へのニーズが強いはず。奇麗事かも知れないが、目先の為替や株価に一喜一憂することなく、取り組み先と長期的な共栄の道を探ることの方が大切な気がする。