《めてみみ》地域活性化のファーストペンギン

2024/12/03 06:24 更新


 ユナイテッドアローズが茨城県境町と包括連携パートナーシップを締結した。町おこしのグッズと飲食を開発し、道の駅の観光案内スタンドで販売、広報誌も配布する。ふるさと納税返礼品のお酒も企画した。

 ほかにも町立の小中学校向けの体操服をデザインし、町の保養施設の内外装を監修。期間限定でアウトレットも出店しラッピングバスも走らせるという。一連の取り組みは町長の働きかけによって実現した。

 ユナイテッドアローズと取引のある小松マテーレの中山大輔社長と知己の橋本正裕町長が仲介を依頼、ふるさと納税の返礼品で何か協力を頼めないか打診した。町を見てもらい何度かやり取りをするなかで、包括連携に至った。

 人口2万4000人の境町はふるさと納税の返礼品開発に力を入れ、寄付金額で7年連続関東1位を記録している。移住者を増やすため子育てや教育支援を充実し、住宅環境も整備するなど地域活性化の取り組みですでに一定の成果を上げている。

 「昔は境町のことを誰も知らなかった」と振り返る橋本町長は、ユナイテッドアローズとの連携を、魚を求めて最初に海に飛び込むファーストペンギンに例える。「セレクトショップとの協業など無理と考える地方自治体が、ウチもやろうと思うきっかけになれば」。地域活性化につながる新たな動きが広がるかもしれない。



この記事に関連する記事