《めてみみ》京都・高雄の蛍

2026/07/01 06:24 更新NEW!


 京都の魅力の一つは、神社仏閣、千年を超える歴史に育まれた様々な文化だけでなく、市街地からすぐ近くに自然豊かな環境が残っていることだろう。例えば、龍安寺や金閣寺のある洛北から、北西に車で15分も走れば高雄地区に着く。うっそうとした北山杉に囲まれ、都会の喧騒(けんそう)を忘れるような場所だ。

 高雄には最澄や空海らが修行した神護寺、国宝「鳥獣人物戯画」を所蔵する高山寺などもある。ちょうど今頃は、神護寺横の高雄川の川床で見られる蛍の乱舞でも知られている。週末には川床料理と蛍、舞妓(まいこ)さんの踊りをセットにしたイベントプランなどもあり、観光客の目を楽しませている。

 記者の祖父母の幼少の頃だから、一世紀近く前になるだろうか。少し市街地を離れた場所ならどこでも蛍が見られたという。蚊帳の中に蛍を入れて楽しむのも初夏の風物詩の一つだったそうだ。高雄川のように一定の規模の蛍狩りが楽しめる場所は、今や全国でも10カ所程度まで減ってきたと聞く。

 中東情勢も鎮静化の兆しが出てきた。当分はエネルギー供給ルートの多様化などが話題になるだろうが、地球温暖化対策や石化資源への依存度軽減など、環境対策の重要性は変わらない。夏の風物詩を残していくためにも、繊維産業がこうした課題に向き合い、どんな役割を果たしていくのか。腰を据えて考えたい。 



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