ネクタイの三松商事は23年秋、同社初の自社EC「ディアゲヨーネ」をスタートした。特徴はギフト需要特化のコンセプトで運営していることだ。オリジナルのコーディネートシミュレーターなど、ネクタイに不慣れな女性が買い物しやすい機能を備えている。
運営スタッフも女性
同社の主な販路である百貨店のネクタイ平場は、女性による代理購買が多い。そこに注目し、ギフト需要特化型のECを構想した。ディアゲヨーネという名称も、英語の「dear」(親愛なる)と「あげようね」を組み合わせた造語だ。
ネクタイとシャツのほか、レザーグッズ、タイバーなどの小物を販売している。革小物の「グレンロイヤル」やカシミヤストールで知られる「ジョンストンズ」といったインポート雑貨も扱う。
運営は社内の女性スタッフが行い、商品説明のテキストなども内製化している。男性向けのECにありがちな、商品のうんちくを語る説明ではなく、どんな年齢層や役職の人に最適かといった、ギフトを贈る女性目線の文章を心掛けているという。
商品のサムネイル画像にもこだわっており、無料のラッピングと映った写真を採用し、贈る際のイメージをつきやすくしている。
シミュレーター導入
自分ではネクタイをしない人でも選びやすいように、コーディネートシミュレーターを導入した。ECで販売している140種類以上のネクタイを、3色のジャケットと6種のシャツと組み合わせて見られる。色や柄でネクタイの検索もでき、1クリックで販売ページに移動できる。
今後はディアゲヨーネとして、セレクトショップ型の期間限定店を開き、認知度を上げる考えだ。将来的には、OMO(オンラインとオフラインの融合)型の実店舗も出したいという。