革、バッグ、小物業界を元気にしたい

2016/02/29 06:40 更新


《スタンス》宮城プランニング社長・宮城基郎さん

トータルでコンサルタント

 「日本の革、バッグ、小物業界を元気にしたい」とは、レザー製品を中心に企画や生産、販売のコンサルタントなどを手掛ける宮城プランニング(埼玉県川口市、電話048・259・2672)の宮城基郎社長。16年からタンナーのメルセン(長野県飯田市)と協業し、オリジナルブランド「インステータス」を販売する。

 宮城社長は老舗バッグメーカーでの企画、生産、営業、新規ブランド立ち上げなどのキャリアを持つ。「次の人生を考えて、チャレンジするなら今と思い起業した。お世話になった業界に恩返しができれば」と語る。

「業界に育ててもらった」という宮城基郎社長。活性化や盛り上がりにつながる取り組みを実践する

 


25年の経験生かす

 同社は14年創業。革やバッグなどの業界は今、「タンナーさんの廃業、倒産や職人さんの引退など、元気がなくなっている」。そこで、約25年の経験と人脈を生かし、「新しいブランドを立ち上げたい」「小売店、仕入れ先を開拓したい」「バッグ、財布などのデザインから生産までを委託したい」などの要望に応えることで業界の活性化につなげる。

 それぞれの強みに特化したコンサルタント業は増えているが、「ファッション業界は川上から川下までトータルで事業を進めていくことが大事で、求められている」。同社は生産から企画、販売までをトータルで具体的なアドバイスができる強みがある。革や素材企業、デザイナー、職人、工場、合同展主催者などにパイプがあり、「まずは目の前の人を幸せに」を目標に事業を行っている。

 レザー関連はタンナー、革の問屋、卸およびメーカー、小売店など、消費者に商品が届くまでの工程が多い。まずはこの工程をある程度簡素化して、利益が取れる業界を目指す。また、職人の世界では現在も「60歳で若手」という感覚が根強い。国内生産を盛り上げていき、「若い職人が出てこれるような業界にしたい」という。


協業でオリジナル

 オリジナルブランドのインステータスはレザー関連に絞る。「色々な素材に手を出すと、ブレてうまくいかない」からだ。ブランドを立ち上げて情報をホームページなどを通じて発信し、業界の役に立つように取り組む。国内の工場などの活性化にもつなげていく考えだ。

 コンセプトは「自分がかっこいいと思う物。胸が躍る物」で、自分自身をターゲットとして考え、年齢や男女は問わない。

 今回、素材は宮城県・気仙沼の鮫の皮を使った。「東北を元気に」との思いと海外も含めて鮫を使う商品が少ないためで、「他にはない商品で、商品を買う意味など背景も伝えたい」という。

 まずはワインボトルホルダーを企画した。凝固剤で固めて、インテリアとしても通用する丈夫でおしゃれなアイテムだ。今後も服飾雑貨ではなく、ライフスタイルの中で新鮮なアイテムを提案していく。協業するメルセンは主に車や家具のレザー関連を扱うタンナーの大手企業。異業種とも協業し、新たな切り口のアイテムを増やして、メード・イン・ジャパンによる新しいことにチャレンジしていく。

オリジナルブランド「インステータス」。新しい切り口のレザー商品を提案する



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