【高める!現場のモチベーション】TSIホールディングス・ウェルネス事業ディビジョン

2023/09/19 00:00 更新


「元気が大事」という沼田さん(左)と「部署に関係なく集まれるゴルフ部あったら、もっと楽しい」という安藤さん

 企業や管轄する事業部、周りのサポートは、スタッフが店頭で輝ける、モチベーションアップにつながっている。新入時やキャリア別の研修、自身の努力・勉強も必要だが、日々の運営や取り組み、ケアはスタッフのスキルアップになっている。販売のサポートについて話を聞いた。

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ゴルフ経験問わず輝ける 楽しめる環境を整える

 TSIホールディングスのスポーツを通してライフスタイルを提案するコンセプトショップ「ザ・ハウス」。「パーリーゲイツ」「ピン」「ピージージー」「ニューバランスゴルフ」など、ゴルフブランド七つを揃える。ゴルフの経験を問わずに、モチベーションやコミュニケーション、スキルのアップを事業部と店長がサポートし、それぞれが輝けるような働きやすい環境を整えている。ギンザシックス店の安藤木綿子店長は「店頭や仕事に来るのが楽しい。みんなと会えるのがうれしいと」思ってもらえることを一番に考えている。

気軽に触れる機会作る

 ザ・ハウスは東京のギンザシックス店と広尾店、札幌店の3店。ゴルフブランド全般を管轄するウェルネス事業ディビジョンの沼田正義チーフマネージャーは担当後、7ブランドのそれぞれの商品構成は「顧客ニーズや地域特性は現場が一番知っている。お客様の適した商品が揃えられる」と、各店長に任せている。以前はギンザシックス店の店長で、その頃の経験やノウハウを生かしながらサポートしている。

 沼田さんは配属されるまでゴルフ未経験者で、ゴルフ用語も分からなかった。ゴルフを始め、「経験は接客などに生かせる。やった方が良い」というが、強制ではない。自分から好きにならないと続かないし、身にならないと考えるからだ。

 新卒のゴルフ関連への配属は10人のうち経験者は2人ほど。そこで、ディビジョンでは全体の新卒研修後に1日、ゴルフ研修を行い、基礎的なゴルフ用語やクラブの握り方をレクチャーし、最後にはゴルフ場でゲーム的なものを行う。研修でゴルフデビューし、今も続けているスタッフもいる。沼田さんは「出来れば若い人にも経験してほしい」と、毎月1回若い人をゴルフに誘い、経験や楽しむ場を作っている。社ではゴルフを始めたい人にゴルフ道具2セット用意、ゴルフ場までは送料無料で気軽に体験できる仕組みもある。

 ギンザシックス店は13人体制で、配属後に始めた人は2、3人。今ゴルフをしているのは5、6人だが、「ザ・ハウスはゴルフゴルフしていないアパレルショップのような運営」で販売している。基本は接客とブランドミックスコーディネート提案。品切れの客注は受けずに、客のニーズに合うほかのブランドを提案するなど、「ブランド知識や商品管理ができないと接客できない」ため、日々勉強が必要だ。

 また、ゴルフウェアはリアルクローズが動くが、先物が提案できるように目指している。スタッフは今の売れ筋の半袖ではなく、長袖やニット商品を着用し、重ね着などを提案している。好調なパーリーゲイツが目立ち過ぎる売り場になっている場合、「出し過ぎ」と修正することも。2、3ブランドで売り上げ予算達成するのではなく、すべてのブランドが売れるように努めている。

店頭もミックスコーデで見せる「ザ・ハウス」ギンザシックス店

やりがいと活気生む

 安藤さんは18年、異業種からアルバイトで入り、19年に社員、20年サブ、22年から店長になった。大学生からのゴルフ経験者で、「好きなゴルフに携われ、ウェアも見られて楽しかった」。バイト時代から、店舗ミーティングにも加わり、スタッフの勉強会もやった。「バイトだからなどの堅苦しい雰囲気ではなく、柔軟性があり働きやすい」と感じた。

 プライベートでは国内外のプロやウェア提供プロの試合をチェック。客から試合の話はよくあり、ただの相づちではなく会話が広がり、よりコミュニケーションを深めている。「お客様より情報を持っていることが大切」で、得た情報は朝礼などでスタッフにも共有している。

 各スタッフは自分なりのブランドミックスコーデを着用。立地で基準がある場合もあるが、髪形や色、爪などの規則はなく、仕事の妨げにならなければ認めている。やや長めの爪でネイルカラーを楽しんでいる安藤さんは、「それでゴルフができるの」など客との会話も弾んでいる。ウェアは社員価格での購入や補助がある。

 好調なザ・ハウスは「忙しいが、現場は活気があり、経験値が高まる」という。訪日外国人客が30%前後と高く、話せなかった英語が聞き取れるようになったスタッフも。希望ではないゴルフ関連への配属に、最初はモチベーションが上がらないスタッフもいるが、「配属されて良かった」「この経験がなければ成長していない」などの声を聞く。先入観を持たずに色々な経験ができることを楽しんでほしいという。

(繊研新聞本紙23年9月19日付)

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