(第2項)目標設定・管理の重要性
5.売上の公式とは?⑦
今回は、これまで行ってきた「売上の公式を活用して目標設定を行おう!」のまとめの回です。Dさん、Tさんよろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたします!
復習になりますが、売上は、売上=(買上)客数×客単価です。さらに、客数・客単価をそれぞれに分解すると、売上=(入店数×買上率)×(1点単価×SET率)ということは、これまで学んできました。
今回の講義は、私が実際に売上の公式を活用した目標例を掲げます。私が掲げた目標以外にも、良い目標がないか、日々の実務を踏まえ考えてみましょう!
でも、せんせの例ってイマイチな場合が多いですよね(笑)
以前の講義でもお話したように、私の本職はMDアドバイザーですから、売上の公式を活用した目標設定がうまくないかもしれませんが、一生懸命考えてみますね。
今回の目標設定は、ファッションビルやモール等のイベントで目標設定を考えました。イベント時の売上目標は以下の通りです。
●3月11日~20日 5倍ポイント
- 3月の売上予算1600万円 イベント予算780万円(売上予算の45%)
- 客数目標1,368(昨対107%)客単価目標5,700円(昨対111%)
せんせ。何故、目標例をイベント時に設定したのですか?
Tさん、良い質問です。
ファッションビル等が行う、ポイント施策やOFF施策では、多くのショップが売上を伸ばすことができると推測されます。今回、前提とした目標もポイント5倍期間が10日間で、売上予算の45%を獲得するという目標設定です。
イベント時は、目標設定としてわかりやすいということと、期限があるということも理由の一つです。
なるほどです( ..)φメモメモ
入店数アップのための目標設定は、以下の図をご覧ください。
次は、買上率を上げるための目標設定です。以下の図をご覧ください。
取り置きの目標設定があるのが、私には新鮮です!
イベント前は、下見のお客様も多いですから、取り置きの目標設定を行うことは、とても重要です。取り置きの金額が目標設定を超えていれば、イベント本番は気持ちが少し楽になる効果もありますね。
最後は、SET率を上げるための目標設定です。
せんせの目標設定例をみると、以前の講義で学習したSMARTの法則(具体的・測定可能・達成可能・関連している・期限を区切る)を意識した目標設定になっているように思えます。しかし具体的な実践方法・手段に、あまり言及されていないように思えるのですが、これは何か意図があるのでしょうか?
Tさん、良い質問です。
ここからは私なりの考え方でしかないのですが、今回のこの講義は、“店長・SV向け講義”として行っていますので、店長が目標設定における手段の細かい部分まで言及することは、ショップスタッフの成長を阻害させる可能性が高まります。
まずは、スタッフに考えてもらい実践してもらう。その後に、(店長とショップスタッフが)コミュニケーションを密にとり、結果を検証することが重要なのでは?と考え、今回例として掲げた目標設定にさせて頂きました。
せんせ、珍しく私と同意見です!
理解しました。店長とショップスタッフが目標をもとに、密にコミュニケーションを取る。これ、大事なことですよね。
もう一つ質問があります!目標設定・管理を行っても、売上が芳しくなかった場合。店長はどのようなことを行えば良いのですか?
Tさん、これも良い質問です。ショップの目標設定・管理をしっかりと行っているけど、売上は上がらない。このようなことは起こりえることです。
その場合は、まずは、売上の公式をベースに具体的に目標設定した項目から検証を行い、問題点を抽出する。その後に改善策を講じてください。
それでもショップでどうにもならない場合は、SVに相談してください。SMARTの法則を意識して目標設定を行っているわけですから、店長とSVで建設的な意見交換ができるはずです。SVが具体的な問題点を掴んで、本部・MDに意見具申が出来れば、問題の改善を実施するスピードも上がるでしょう。
承知しました。店長はショップスタッフだけでなく、SVとのコミュニケーションも重要。その際に、しっかりとした目標設定・管理が出来ていれば、問題解決のスピードが速まる可能性が上がる!ということですね。頑張ります!
ありがとうございます。ということで、今回の講義はここで終了です。次回は、「売上の公式とは?」の最後の回です。次回もよろしくお願いいたします。
では、皆さん。次回もお楽しみに(@^^)/~~~
佐藤正臣 95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立上をMDとして担当。10年よりフリーランスとして活動開始。シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。現在、多方面で活躍中。www.msmd.jp