(第2項)目標設定・管理の重要性
(番外編)販売の仕事における付加価値を考えてみよう!(粗利益は付加価値)①
前回までの講義は、“売上の公式”を活用して目標設定を行う方法を皆で学んできましたが、次の項目に移る前に、皆で販売の仕事における付加価値とは何か、考えてみたいと思います。
販売の仕事における付加価値が理解出来ていれば、ショップの目標設定・管理を行う上でも、大いに役立つはずです。今回もDさん、Tさんよろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
ではTさん、付加価値という言葉の意味を、スマートフォンを使って調べて頂いてよろしいですか?
はい、かしこまりました。
「付加価値とは、企業による事業の結果として生み出された製品・サービスなどの価値の中で、それぞれの会社がその活動自体から生み出し、付け加えた価値のこと」と、記載されています。
Tさん、ありがとうございます。大体の意味は掴めましたか?
はい、意味は掴めました!
実を言いますと、会計学でいうところの付加価値は粗利益とイコールであると言われています。
商品で例えると、あるTシャツ1点の原価は1000円でした。Tさんは、このTシャツの売価を3,000円に設定し、3000円でお客様が購入しました。この場合、粗利益高は2,000円(粗利率66.7%)になります。視点を変えると、Tシャツの工業製品としての価格は1000円と捉えることが出来ます。Tさんは、Tシャツに何らかの価値を加えたことで、結果3000円でお客様に売れました。2000円の付加価値=2000円の粗利益と考えれば、より理解しやすいでしょう。
ということは、付加価値が高い商品やサービスをお客様に提供することが出来れば、その分だけ粗利益高も多く獲得できる!と捉えられますね。
確かにせんせの仰る通りですね。
私は以前せんせのMD講義で、商品の付加価値とは何か、考え学びました!
Dさん、ありがとうございます。MD講義では、商品の付加価値を考えましたが、今回の講義では、販売の仕事で生み出せる付加価値を考えてみましょう。
ではDさん、販売の仕事で生み出せる付加価値を考える前に、商品における付加価値とは何か、読者の皆様にわかりやすく伝えていただけますか?
了解しました。ではせんせのMD講義で、受講者の皆様方から出てくる代表的な意見をお伝えします。
- トレンド→ファッションにトレンドは欠かせない。とくにレディース。
- 汎用性・利便性→すぐ乾く・伸びる素材等の素材面。3WAY等の用途面。また、どんなコーディネートにも合わせやすい。
- 価格(安いと売りやすい?)→逆説的ではあるが、事実日本で一番の粗利高を誇る企業はファストリテイリング。ただし、近年安いだけでは売れない場合も多く、価格以上の商品価値が必要。
- 企業の歴史・ロゴ→ロゴの威力は、ある意味一番と言ってよいものがある!その付加価値が理解し、大事にしている企業も多い。
- 別注・コラボ商品→別注・コラボ商品は、“ここでしか買えない”という付加価値を生み出す。ただし、近年は食傷気味になっているとの声も。
読者の皆様方も、商品における付加価値とは何か、これ機会に考えてみてください。
Dさん、ありがとうございます。Tさん、先ほどDさんに伝えて頂いた商品の付加価値で、気になる意見はありましたか?
私はロゴが気になりました。確かに、私はロゴが入ったTシャツやポロシャツを好んで購入しています。ですがそのロゴがなかったら、特にカワイイとも思わないし、購入したいとも思いません。これは、私の印象でしかないのですが、例えロゴが入っていようとも、入っていなくとも、商品の原価は変わらない気がするので、ブランドやショップロゴの付加価値は、とても高いのだろうな!と感じました。
Tさん、ありがとうございます。
私も無地のTシャツを安く購入して、私のイラストを書き加え価格を高くして、Tさんに商品を購入してもらいましょうかね?
せんせのイラストに全く付加価値を感じませんので、Tシャツの仕入値以下の価格でも、私は絶対に買いません。
_| ̄|○
╮(╯-╰)╭
ということで、私のイラストに付加価値は全くないという話は止めにして、次回の講義は、皆で“販売の仕事で生み出せる付加価値”を考えていきます。
では、皆さん。次回もお楽しみに(@^^)/~~~
佐藤正臣 95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立上をMDとして担当。10年よりフリーランスとして活動開始。シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。現在、多方面で活躍中。www.msmd.jp