今年創業450周年を迎えた寝装寝具の西川グループは、西川産業(東京)、西川リビング(大阪)、京都西川(京都)の製造卸3社が素材や技法にこだわった記念商品を相次いで発売した。年始から販売先向けに関連イベントも実施しており、歴史と伝統の発信を強める。
記念商品は、西川産業がホワイトカシミヤとアイダーダウンの2層の中わたを希少シルク「小石丸」の側地で包んだ数量限定の高級掛け布団「宝相華」(ほうそうげ)を450万円で販売する。西川リビングは20枚限定で、国産シルク「白麗」(はくれい)を側地と中わたに使った「近江仕立て」の掛け布団を200万円で出した。京都西川は、伝統技術の「近江手びき真わた」を中わたに採用したシルク合い掛け布団を8万円で発売した。
周年記念に関連し、西川リビングが初市で十二単{{ひとえ}}特別着付けショーを開き、服飾評論家の市田ひろみさんが宮中衣装を解説した。また、京都西川は、本社内に臨時資料館を設け、展示内容を変えながら今秋まで企業史を紹介する。1~3月は同社の創業時の主力商品だった武具の弓などを展示している。
西川は1566年に滋賀・近江八幡で初代の西川仁右衛門が蚊帳や生活用品の行商を始めたのがルーツとされる。1615年に江戸・日本橋に進出し、1750年に京都、1876年に大阪へ出店。布団販売は1887年から始めた。
グループは、現在、製造卸3社のほかに寝具小売業の西川(東京、通称日本橋西川)、心斎橋西川(大阪)などで構成する。