4月の繊維業者倒産、大幅増の34件 信用交換所調べ

2020/05/13 06:28 更新


 信用交換所によると4月の全国の繊維業者の倒産件数(負債額1000万円以上、整理・内整理含む)は34件で前月比3件増、前年同月比13件増となった。負債総額は130億700万円で前月比21億700万円増、前年同月比109億1700万円増と大幅に増加した。

【関連記事】婦人服製造小売のメルベイユアッシュ 自己破産申請へ

 負債額10億円以上の大型倒産はキャスキッドソンジャパン(服飾雑貨・小売り、負債額65億円)、ラビアンローゼ(貸衣装、24億9900万円)、東京山喜(呉服・和装製品ほか小売り、12億8100万円)の3社。そのほかは70%近くが負債額1億円以下の少額倒産だった。新型コロナウイルスの影響で店舗の休業を強いられた倒産が他に4件あった。ただし、従来から資金繰りが悪化していた企業もあり、新型コロナが破綻原因の全てとは言い難いとしている。

 業種別では小売商21件、紳士・婦人・子供服・被服製造卸4件、染色整理・特殊加工2件、ニット製品・洋品雑貨製造卸2件、織物製造1件、呉服・和装製品製造卸1件、その他3件。原因別では「業績じり貧」が27件で79.4%を占め、「業績急変」が7件。

 緊急事態宣言が延長されるなか、大手企業はコミットメントライン(融資枠設定)を導入した資金確保に動いており、中小零細企業も国や自治体などの補助金や助成金、セーフティーネットを当座の資金繰りに活用している。しかし、新型コロナの終息と売り上げ回復の見込みが立たなければ、一時しのぎにしかならず、引き続き時短・休業延長の継続を余儀なくされる小売り・サービス業を中心に資金力の弱い企業の倒産の多発を予想する。

関連キーワード新型コロナウイルス情報



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事