11月開業の上野「パルコヤ」 テナントは地元企業中心

2017/09/19 04:28 更新


 パルコが11月4日に東京・上野御徒町の大型複合施設「上野フロンティアタワー」内に出店する新施設「パルコヤ」は地域と立地特性に合わせ、既存都市型施設に比べて顧客対象を広げ、地元の老舗企業を中心に初めて取引するテナントを数多く導入する。隣接する松坂屋上野店本館との連携施策も行い、相乗効果を発揮させて「パルコとして新しい客層を開拓したい」(牧山浩三社長)という。

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 上野フロンティアタワーはJ・フロントリテイリングが松坂屋上野店南館跡地に開発、商業施設、大型シネマコンプレックス(複合映画館)、オフィスで構成する。地下2階~地上23階のうち、パルコヤは地上1~6階に入る。延べ床面積は約8200平方メートルで、テナント数は68。

 ビルの7~8階に多くの集客が見込めるシネコン、12~22階にオフィス、顧客の年齢が比較的高い松坂屋が地下1階に入り、本館とも隣接することなどから、20~30代を中心客層とする他の都市型施設に比べて「間口を広げる」。

 中心顧客対象を団塊ジュニアを核にした30~50代とし、銀座や丸の内、日本橋に流出している近隣居住者と就業者や、土曜日・休日を中心に上野に来街するファミリーや国内外の来街者の取り込みを狙う。

 全テナントのうち、現在の都市型施設の旗艦店である池袋パルコと同じテナントは約1割、上野御徒町エリア初出店は約8割、地元(台東、文京、千代田各区)ゆかりの企業は約2割(11社)とする。初めて取引する企業は約4割となる。

 14年秋に開業した福岡パルコ新館、昨年7月に開業した仙台パルコ2と同様、衣料品比率を下げ、全体の約3割とした。食とコスメを特に強化する。食は飲食、食物販を合わせて全体の約2割。シネコンの来館客の取り込みも狙い、6階に地元店を軸に全国各地の飲食9店が入るゾーンを設けるほか、4階を除く全階にカフェを入れ、滞在機能を持たせる。

 コスメは11店で、従来パルコが主力としていたナチュラル系ブランドに加え、メイクアップ型店舗を充実する。

 1階は食物販と服飾、生活雑貨、「ディーン&デルーカカフェ」などのカフェとコスメを合わせたライフスタイル提案型ゾーンとし、コスメは「サボン」「スリー」のほか、パルコ初出店の「マック」など5店が入る。インテリア雑貨や和雑貨店などで構成する4階にはコスメ6店が出る。

 ファッションは主に2~3階に集積し、「百貨店との相互補完」(小林昭夫店長)を重視した。松坂屋に大人の女性客向けの「セオリー・リュクス」が入るのに対し、2階にレディス・メンズ「セオリー」を入れる。ほかにも、「ディーゼル」「マーガレット・ハウエル」「フリークスストア」などレディス・メンズ複合店を積極導入する。




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