レディスアパレルのピーアイ(東京)はメンズのオリジナル「ケイスケオクノヤ」の発売から1年が経過し、好調に売れている。SNS(交流サイト)だけの商品情報と注文生産の販売形態という新しい試みに手応えを感じている。
これまで数量限定の11アイテムで約3300枚を販売、累計売上高は約4000万円となった。奥ノ谷圭祐社長は「商品背景も含めて、誰が作り、誰から買うかが重要になっている。つながりの経済」という。
同ブランドは14年5月、「自分が着たい服を作る」として、奥ノ谷社長自身が企画からモデル、販促すべてを担当している。アイテムは第1弾の裏毛のオリジナルボーダー柄短パンから始まり、パイル地短パンやニットカーディガン、オックスフォードシャツ、丸首Tシャツなどを企画。
商品情報および注文は奥ノ谷社長のフェイスブック、ブログ、ツイッター、インスタグラムのみで、情報アップからほぼ5日間で完売している。
奥ノ谷社長は取引先専門店などに「客との関係性を築いていくことが重要」と、自らの行動や経験からアドバイスしている。今回の試みは日頃のSNSの活用などが背景にあり、第1弾の購入者は知人関係が多かった。しかし、今では商品に満足、共感するなどで、購入者自身がブログなどで紹介し広がりを見せている。これまでの購入者は約900人で、知らない人同士のつながりも生まれ、奥ノ谷社長は50%の人は会ったことがないという。
購入者には毎回、手書きのお礼状、ノベルティー、着こなしコーディネートマップを同封する。これらのきめ細かな対応も共感してもらえる要因だ。生産や生地、ボタンなどの服属品はレディスで取引がある国内企業と取り組み、企業との関係も深めている。
今後は9月末納期の第12弾ウール100%カーディガン(1万7000円)で400枚を販売、11月には薄手のインナーダウン(2万3000円)を予定している。
写真=ジャケットと、「ケイスケオクノヤ」のTシャツ、短パンの着こなしを披露する奥ノ谷社長