米国の古い木型と日本の技術で紳士靴

2016/09/28 05:51 更新


 スニーカー全盛の市場の中、本格的な革靴で新たな需要掘り起こしに挑む――。W・K・フクシマアンドサンズ(東京)は米国の昔の木型をそのまま使い日本の工場で生産した紳士靴「プラソンシューサプライ」を16年春夏からスタートし、地方の個店などで卸し先を増やしている。

 桜井将善代表は若い時に米国に在住し靴を扱い始めた。靴の輸入卸を経て、メキシコをはじめ、インド、ラオスなどの生産背景を生かし、セレクトショップのオリジナル靴のOEM(相手先ブランドによる生産)を手掛けてきた。80年代後半から米国の靴メーカーが生産地をメキシコにシフトした際に持ち込んだ古い木型を現地の工場から譲り受け、プラソンシューサプライとして製品化することにした。

 17年春夏物は1936年にミリタリーシューズに使用された木型と50年代にポストマンに使われたワークな木型を当時のままいじらずに使用し、日本の工場でグッドイヤーウェルテッド製法によって作られる。

 ミリタリーはつま先の反り返りが特徴で、ミリタリースペックの「ビブラム」ソールを付ける。アッパーには仏産キップの原皮を日本のタンナーがなめしたソフトガラス仕上げの革を使う。ベーシックなデザインを基本とし、シーズンで素材を乗せ換える。4万7000~5万4000円。

30年代と50年代の米国木型を日本で生産する「プラソンシューサプライ」

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