4月末にIFF MAGIC JAPANという展示会が開催されました。日本のブランドはもちろん、多くの海外ブランドの出展がありました。5000円のバッグから20万円のコート、アパレルからフィギュアまで様々なジャンルがある見応えのある展示会でした。
お久しぶりです。YUUKIです。今回は、私が関わるこの展示会で個人的に注目したブランドをご紹介します。
展示会前にIFF MAGIC JAPANの出展者検索ページでこのブランドを見つけました。名前はPROSAC ALWAYSMILE(プロサック・オールウェイスマイル)です。
まず目を引いたのはブランドがアップした写真でした。サンタクロースのような髭をした赤髪の双子がデニムonデニムにリメイク風のベストを着て何気ないポーズを取っている写真。どこかの古いアトリエと思われるバックの色合いと良くマッチしています。
次の写真は双子の写真と打って変わって、鮮やかな黄色を基調とした写真でした。黄葉の中にヘビのよう不思議な柄の蝶ネクタイとサスペンダーをしている青年が妖艶な目つきでカメラをまっすぐ見つめている写真です。
雰囲気の異なる2枚の写真ですが、どちらもノストラジックで少し不思議な感覚にさせられました。
そして、IFF MAGIC JAPAN当日です。ついに会いたかったブランドとご対面できると思い、朝からワクワクしていました。
ブースに行くと、なんとあの写真の双子とそっくりな方が笑顔で迎えてくれました。服装もデニムONデニムのインディゴトーンで統一されていました。ブースには洋服やアクセサリーだけでなく、彼の物を作る時のストーリーがよくわかるようなパターンや麻の糸、残布などもディスプレイされていました。
彼の名前はレオナルド・アゴスティーニ(通称レオ)。PROSAC ALWAYSMILEは2013年にイタリアのフォリーニョという街でガレージブランドとしてスタートしています。まだ大学に通うレオは同じ学生の為に、古い麻袋をリサイクルし機能性の良い折りたたみのバッグを作ります。それをきっかけに生地を再利用した作品を作るようになったそうです。
ブースの奥に並ぶボータイは全てリサイクル生地で作成されており、中には日本の着物や昔のアロハなどから作られているものもありました。
「日本に初めて来た時、こんなに美しい国はないと思ったよ。今回の出展が決まった時に、日本の古い生地を使用しようと思ったんだ。僕からの敬意を込めてね。」
実は今回が初お目見えではなかったPROSAC ALWAYSMILE。既に都内の百貨店などでPOP UPをしたことがあるといいます。
「イタリアと日本はディテールやハンドクラフトを大切にするという共通の文化がある。僕はこの国の伝統、人、カルチャー、食、そしてダイナミックなビジネス環境をとても尊敬している。だからこそ、次に僕らのブランドを理解してくれるのは日本のマーケットだと信じているんだ。」
いずれ、PROSAC JAPANの設立を考えていると語るレオは私に多くの商品を紹介してくれました。日本でお店を作り、そこにはイタリアのアルチザンが日本の伝統技術を活かして、イタリアンスタイルの日本限定の商品も作るそうです。
現在、イタリア人の職人の数が劇的に減っているといいます。それは日本でも同じです。若い彼らが立ち上がり、技術を持つ職人と共にそのストーリーをこの時代に伝えて行く。伝統や技術は一度無くなったら、簡単には蘇らすのは難しいことです。
だからこそ、そのストーリーを重く受け止めるのではなく、彼らの作る作品を少しでも「可愛い」「かっこいい」と思った上でストーリーを知ってもらえれば、きっと伝統は続くのではないかなっとレオと話していて思いました。何故なら、彼が純粋にファッションを心から楽しんでいるからです。まだまだ荒削りな部分はありますが、これからのレオの活躍を見守りたいと思います。
PROSAC ALWAYSMILE
Web Site: www.prosacalwaysmile.com
Facebook: @prosacalwaysmile
Instagram: @prosacalwaysmile