「ラフ・シモンズ」は、21年春夏コレクションの映像とルックブックをデジタル配信した。これまで「ジル・サンダー」や「ディオール」で手掛けてきたレディスを、初めて自身のブランドで披露することに注目が集まった。
【関連記事】マイケル・コース21年春夏コレクション 自然と都会の均衡をリラックス気分で
デジタル映像は花畑のような空間に寝そべる男女のモデルたちの姿からスタートする。「ウェルカムホーム、チルドレン・オブ・レヴォリューション」の文字をのせたジャージートップ。そのメッセージが現代の人類が抱えた状況と重なり合う。ストーリーが進むにつれ、モデルたちがいる花畑の良ような空間が、外界から閉ざされた空間だと気づかされる。革命の子供たちが外界から逃れ、この花畑の空間へと集まってくる。そんなイメージだ。モワレのようなグラフィック柄のボディースーツやドレス、タートルネックのトップにマキシスカート、コートやスリーブレスコート。縦長のシルエットのメンズとレディスが揃う。蛍光グリーン、ピンク、白、黒、イエロー、そこにビニールの光沢が重なり、どこか未来的な雰囲気を醸し出す。たくさんの人の顔のプリントと「コミュニティー」の文字をのせたトップも、今の世界を象徴する。
春夏のトレンドでもあるが、メンズ、レディスともシンプルなラインにまとめられている。ボディースーツのようなタイトなジャージートップとコートやストレートスカート、そぎ落としたコーディネートだ。そのシンプリシティーの中に幻想的な空気や未来的なムードを閉じ込めた。ラフ・シモンズのリリースには今回のコレクションについて、「エイリアン、孤独、不思議の国のアリス、エルム街の悪夢、バーバレラ…」などの文字がキーワードとして記されている。