ヒューズ(東京)が運営する環境配慮のニットブランド「ライテンダー」の売り上げが好調だ。工場に眠る残糸などを使ったニット製品のDtoC(消費者直販)ブランドとしてデビューしたが、24年の運営会社の変更を機に物作りを見直し、卸売りの強化にかじを切った。製品〝コスパ〟の高さが受け、年商は創業当初の10倍ほどの約2億円にまで成長した。
(永松浩介)
9割を占める卸
OEM(相手先ブランドによる生産)企業のブランド事業部として19年に始まったが、24年に創業メンバーの一人だった小池勇太さんと、別のもう一人が共同でオーナーとなり、ブランドを成長させることにした。小池さんは取締役でブランドディレクターを兼ねる。
カラフルな色が持ち味。残糸や再生糸にこだわった当初とは異なり、今は有機栽培綿などのバージン糸も使う。色が揃いづらい残糸にこだわり過ぎると発注量がまとまらず、生産現場に無理を強いることもあるからだ。
「流通のどこかに負荷が生じる物作りには持続可能性はないと思う」と小池さん。目指すところのビジネスと環境・倫理配慮の両立は変わらない。
今や売り上げの9割を占める卸にシフトしたことで、DtoCブランド時代よりはSKU(在庫最小管理単位)は増えた。ニットTなどのトップのイメージが強かったが、アウターやワンピースなども。半袖ボーダーのニットTシャツ税抜き9000円、綿・カシミヤのワンピース2万8000円など。

ミニマムでも受ける
地方専門店への卸販売に他社が苦戦する中で伸ばせているのは、「小さく試せる点」と小池さん。発注量もミニマムでも受けるので専門店も始めやすい。自社で一定在庫も積んでいるため、専門店が在庫リスクを負わない委託販売や期間限定店の開催も可能だ。
また、店頭在庫が切れても迅速な追加対応ができるため、販売機会を逃しにくい。もとより、DtoC時代に培ったブランド知名度もある。製品に関しては、価格に対し「素材・編み・加工まで含めた総合的なバランスが評価されている」と小池さんは言う。
卸先はボーイズ(神戸)やシンゾーン、地方の専門店など。伊勢丹や阪急百貨店などにも卸している。ボーイズの「ビショップ」が韓国ソウルに出店したからか韓国企業からのオファーもあり、卸販売も始まりそう。「国内販売が安定した後は、海外販売も増やしたい」(小池さん)という。
