坂善商事「サカゼン」事業改革進む VMDをECと連動、広告施策も刷新

2023/08/17 06:26 更新


馬喰町の店をモデル店とし全店でVMDを統一

 坂善商事(東京、村上隆司社長)は大きいサイズのアパレル主力の「サカゼン」事業の改革を進めている。売り上げ拡大に成功したEC分野を担当していた村上進平氏をCOO(最高執行責任者)に据え、ECと実店舗での商品の見せ方の統一や広告施策の刷新などを通して〝新しいサカゼン〟へ向けて動き出している。

(高塩夏彦)

 サカゼンは長年、体格の大きな男性向けアパレル・服飾雑貨主力の小売りとして関東中心に大きなシェアを誇ってきたが、近年は実店舗の売り上げが失速しているという。そうした中でも18年ごろから強化している自社ECは順調に成長。売り上げを4期で約2倍に増やした。

 EC分野を指揮していた村上COOは好調の要因を「商品写真や広告ビジュアルを内製化するなどし、見せ方を変えたら成果が出た。同じ商品を扱っているからには実店舗でも同じことができるはず」と分析する。

 村上COOが現職に就任し、サカゼン事業全体の指揮を執り始めたのは21年ごろ。まず手をつけたのは店舗のVMDだった。「各店が感覚頼りのVMDで統一感がなかった」ため、モデル店に位置付けた東京・馬喰町の本社近くの店舗を参考に、ECで打ち出している商品をメインで見せる売り場になるよう、全店で統一する体制へ変更した。

マネキンもオリジナルで企画した大型サイズ

 広告施策の改革も進めた。これまで電車のつり広告を積極的に出していたのをやめ、コストカットによる損益の健全化を図っている。広告頼りの集客から脱却する意図もあるという。

 長年にわたりアンバサダーを務め、サカゼンの〝顔〟で知られる、タレントの石塚英彦さんを起用した広告の見せ方も今年の春夏から刷新。今までのカジュアルな絵作りから、色気やかっこよさをアピールしたビジュアルに変えることで、よりおしゃれなイメージで打ち出している。

おなじみの石塚英彦さんの広告ビジュアルも見せ方を刷新

 村上COOは「当たり前のことを泥臭くとも確実に進めつつ、おしゃれでかっこいいイメージのサカゼンへ変えていく。利益を出し、給与水準もさらに高め、就活市場でも選ばれる企業にしていきたい」と意気込む。

関連キーワードデジタルニュースピックアップニュース



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事