日本ショッピングセンター協会(SC協会)によると、今年上期(1~6月)に開業したSCは17施設で、前年同期の19施設から減った。下期は18施設が開業予定で、年間では昨年の開業数(34施設)とほぼ同じとなる見込みだ。
(有井学)
上期の開業施設で店舗面積が1万平方メートルを超えたのは、昨年10月から商業ゾーンが段階的にオープンした虎ノ門ヒルズステーションタワー(1万1200平方メートル)と、ららテラス晴海フラッグ(1万100平方メートル)のみ。平均店舗面積は6746平方メートルで、前年同期の1万7102平方メートルから大幅に縮小した。平均テナント数も31店と、前年同期の52店から減少した。
テナント数の業種別構成比も大きく変化した。食物販が16.5%(前年同期は9.8%)、飲食が28.5%(18.8%)、サービスが27.7%(18.6%)に拡大する一方、衣料品は4.9%(17.3%)と大幅に下がった。都心以外の周辺地域での日常生活需要に対応した中小規模施設の開発が依然として多いことに加え、飲食や情報発信、体験型店舗を充実した虎ノ門ヒルズステーションタワーや東急プラザ原宿(ハラカド)などの開業が影響した。
下期は7月25日に東急不動産が本格開業した渋谷サクラステージ(約1万5200平方メートル)など、引き続き飲食や体験型店舗を充実した施設がある。
一方で、同日に相鉄グループが開業したゆめが丘ソラトス(約4万2000平方メートル)や9月24日に西武グループと住友商事が開業するエミテラス所沢(約4万3000平方メートル)、11月に三井不動産が建て替え・拡大オープンする三井アウトレットパークマリンピア神戸(約3万平方メートル)など、ファッションブランドも充実する大型施設も複数あり、衣料品業種の比率は上期よりも高まると見られる。