島精機製作所が60周年イベント MITとの共同研究を公開

2022/10/05 18:45 更新


メタバースを活用したバーチャルサンプル作成も

 島精機製作所は、和歌山の本社で開いている60周年記念イベントで、無駄のない物作りの実現などサステイナブル(持続可能性)を意識した取り組みをアピールしている。MIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボとの共同研究の成果や、メタバースの活用なども見せた。

 イベントのテーマは「オープンアップザフューチャー」。バーチャルサンプルを用いたファッションショーや、最新の無縫製ニット「ホールガーメント」横編機「SWG-XR」、KDDIと協働したスマートグラスによるバーチャル展示やVR(仮想現実)ショールームなどに加え、現在研究開発中の先進事例も紹介した。MITメディアラボとの共同研究では、空気圧で伸縮する糸「オムニファイバー」と熱で伸縮する糸「ファイブロボ」をそれぞれ使い、ニットに編み込むことで形状が変化するテキスタイルを展示した。メタバースを活用した「サンプルプランニングシステム」(仮)は、メタバース空間にあるバーチャルサンプルにアクセスし、近づいたりして確認が可能。コメントを記した付箋をメタバース空間に配置し、翻訳機能もあり、ニッターやアパレルが時間、場所の制限なくサンプル作成に取り組める仕組みだ。

 島三博社長は、「イベントでは島精機製作所が現在持っている技術や、将来に向けた考え方など、全てを披露した。アパレル業界は着る人を幸せにする服を作らないといけないし、そのためには我々がワクワクしないと、その服を生み出すいい機械が作れない。自分達がワクワクするような物作りをしていこうという意識改革が進み、現場でアイデアを出して形にしていくボトムアップが具体化してきた」とし、今後の開発にも期待を込めた。

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