島精機製作所、KDDIとの協働で販促に向けたXR技術をアピール

2022/10/12 06:27 更新


店舗でのデジタル活用としてARで情報を表示することも

 島精機製作所は、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)といったXR(クロスリアリティー)技術の提案を強化している。現在開催している60周年イベントでは、KDDIのXR技術を連携させたアパレル向け販促パッケージ「XRマネキンforAPEXFiz」を展示し、ショールームでの活用など実例を示した。

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 KDDIと島精機製作所は、5G技術の活用事例としてアパレル分野で協働を続けている。9月にはデザインシステム「APEXFiz」(エイペックス・フィズ)向けのXRプロダクトとしてXRマネキンforAPEXFizの販売をスタート。企画から生産、販促まで一貫したデジタルデータを使える点が特徴だ。

 スマートグラスによるバーチャル展示では、KDDIなどが開発したスマートグラス「NrealLight」(エンリアルライト)を使い、APEXFizで作成した3Dバーチャルサンプルや実写モデルが歩いている様子などが、目の前に投影され見ることができる。近付けば実際に生地表面の質感などがアップで表示される。こうした3Dバーチャルサンプルは、クラウドレンダリングで、それを見る端末の性能に依存することなく、高精細な形で表示できる。

 現在開催中の60周年イベントでは、APEXFizで作成したバーチャルサンプルを使ったファッションショーも披露した。将来的には5G通信で顧客が好きな視点からショーを見られることも見込む。

 また、バーチャルサンプルは全て製品作成のためのニットデータとひもづいている点も特徴。和歌山の本社にはバーチャルサンプルを無縫製ニット「ホールガーメント」で製品化したものなど、展示スペースも設けた。そこでは、店舗のデジタル拡張に向けた提案を用意した。AR用のウェブサイトにアクセスし、スマートフォンをマネキンにかざせばスマホ上にインフォメーションアイコンが表示され、タップで生地や商品の説明が表示される仕組み。店舗の来られない遠隔地の顧客は、サンプル展示の様子をVRショールームとして楽しむこともできる。

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