素材3分レッスン・シュリンクレザー

2015/05/05 07:32 更新


ちりめん加工で、ふくよかに、柔らかく

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 本革に加工して、織物のちりめんのような細かな凹凸(シボ)を出したもの。なめし加工の途中で特殊な薬品を使い、表面を収縮・隆起させる。もともとの革よりも柔らかさが増し、傷が付きにくく、目立ちにくくなるメリットもある。厚みのある革でも上品で柔らかい表情が出ることから、バッグやかばん用途で使われることが多い。最近はモカシンに採用されるケースも目立っている。

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 なめした後に手でもみ込む「もみ革」という手法よりも、一段とシボ感が強調されるのが特徴だ。合成タンニンでも植物タンニンでも、本革をシュリンクさせることが可能。合成タンニンの種類によっては、ふわふわとした印象、見た目以上の軽さなどが表現でき、ファッション性の高い製品を作りやすい。

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 ここ数年、本革製品に使う原皮の価格が上昇しているため、シュリンクレザーをはじめとする加工仕上げの革が増えた面がある。比較的、価格が安定しているからだ。特にソフトなタッチや外観に独自性を出しやすいシュリンクレザーは人気で、採用が広がっている。15~16年秋冬もその傾向は継続、さらに拡大しそうだ。

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 「独特のシボが出ることでマスキュリンな見え方になる一方、触ると女性らしいふくよかな柔らかさを感じ、相対する印象の違いにも面白味がある」(富田興業)ため、一段と繊細なものが増えそうだ。

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「エフィ」(東京デリカ)の15年春夏商品
「エフィ」(東京デリカ)の15年春夏商品
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来秋冬に向けては一段と繊細なシボを出したタイプも(富田興業)
来秋冬に向けては一段と繊細なシボを出したタイプも(富田興業)


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