“骨格分析”で「似合う」を体験 三越日本橋でイベント

2018/06/01 06:27 更新


 ECが拡大を続けるなか、リアル店舗では、「骨格診断」に基づく接客への関心が高まっている。大手のアパレル企業や百貨店が店頭でイベントを開いたり、商品開発の協業、あるいは販売員への研修や資格取得の動きも活発だ。大手の専門店でも取り入れる動きが増えてきた。5月に三越日本橋本店新館で開かれた「フィラージュ」(ルック)のイベントを取材した。

(矢野剛)

 5月18、19日の2日間にわたって開かれた「骨格スタイル分析イベント」では、骨格スタイル協会の師岡朋子代表理事らが講師となり、延べ24人の顧客が受講した。ウェブでの予約やチラシで受け付け、事前に満員で迎えた。

 まず、顧客に服装の悩みや好み、今シーズン欲しい商品などをヒアリングし、シートに書き込むことからスタート。次に、生地見本などを元に、個々の骨格や肌の色などに合わせた風合いや素材などを細かく紹介。服装だけでなく、希望に合わせて骨格タイプ別にネックレスなどアクセサリーを合わせた着こなしも提案する。1人当たりの時間は約45分かける。

まずはヒアリングから(右が師岡代表)

 同協会は骨格の特徴を「ストレート」「ウェーブ」「ナチュラル」の3タイプに分け、パーソナルカラー診断を掛け合わせて、素材やアイテムを提案。顧客の「似合う」を理論的に裏付ける。同協会の「骨格スタイリングアドバイザー」認定講座は人気で、企業・店舗単位で資格取得に取り組む動きもある。

 三越日本橋本店では17年9月、同協会と「オンリーMI」の協業イベントを行い、大手アパレルのキャリア向けブランドで骨格スタイル別企画に取り組み、トークショーなどイベントでも盛り上げた。同店によれば「トレンド情報だけでなく理論が背景にあり、メーカーも作りやすかったのでは。販売も盛り上がり、好調に推移した」(広報)という。同店のスタイリストなど60人に研修も行い、今年3月にもイベントを行っている。

 骨格スタイル協会ではこれ以外にも、ユニクロやオンワード樫山、三陽商会、AOKI、ディノス・セシールなどとも様々な取り組みを広げている。師岡代表は「販売員も薦める理由や背景が明確で、お客にも着こなしを納得していただける。一過性のブームで終わらせず、ECとの差別化に向けたコミュニケーションの円滑化のために活用して欲しい」と、活動を広げたい考えだ。

骨格に合わせて着こなしを提案


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